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ー空間ー213
そして顔を洗いに洗面所へと向かうとキッチンの方へと向かう。
雨だからなのかリビングがいつも以上に暗く感じる室内。
雄介はリビングの灯りを点けやかんでお湯を沸かしコーヒーを作り始めるのだ。
確かに今日は望とは最後の日なのだから一緒に居たい気持ちはあったのだが、その方が別れる時に辛いだろうと思い雄介は頭を冷やすためにもリビングへと降りて来ていた。
今、望といたら体とかに触れてしまい望を起こしてしまう可能性があったからだ。
人間、出会いもあれば別れもある。 色々な別れと出会いがある中で恋人同士で本当に好き者同士が離れるのは辛い所だ。
そう食卓に座りお湯が沸くのをボッーと待っているとやかんの音がリビング中に響き渡り雄介は慌てた様子で火を止めるのだ。
「今の音で望の奴……起きてへんやろか?」
と雄介が心配になったのはそこだ。
そう雄介は考え事をしていて、やかんが音を鳴らす事を忘れていたのかもしれない。
そして雄介はインスタントコーヒーを作り終えると再び食卓の椅子へと座りコーヒーを啜り始める。
やかんでお湯を沸かしている時よりも静かになってしまう部屋。
唯一、聴こえてくるのは雨音とその雨粒が屋根に当たる音だろう。
何故か雨という日は憂鬱な気分になる。 ましてや今日は恋人と別れる日で余計に憂鬱な気分になってしまうのであろう。
「あー、もう! アカン! ホンマ、こういう事考えるの止めや? 止めっ! まったく、自分らしくないやんか……」
いつもは明るくて能天気な雄介なのだが今日はどうしてもしんみりとしてしまい自分に喝を入れる。
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