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ー空間ー214

 頭を俯け頭を振り今まで考えていた事を抹消しようとしてみるのだが、やはりそれは無理なようだ。  おかしなくらいに今日の雄介の頭に浮かんでくるのは望の事ばかりのようだ。 望は死んでもいないのに、この三日間の思い出と出会った頃から今までの記憶が雄介の頭を過ってしまっている。 「望は今……俺の側に居るやんかぁ。 会おうと思えば会えるのに……」  今まで雄介は望の事でこんなに切ない気持ちになった事がなかったのに何故か今日の雄介はいつものように明るい気持ちではいられないようだ。  雄介がそう考え事をしている時、望はもう起きていてリビングのドアの所でその雄介の様子を伺っていた。  本当に雄介があんなに悩んでいたなんて今まで気付かなかった事だ。 望自身も雄介を好きになって雄介には色々と気付かされた。  恋人からの優しさ好きな人を守る大切さ雄介は本当に望には尽くしてくれてきたと思う。 望がわがままを言ったって、いつも笑顔でいてくれる雄介。  だから今回の望の行動は今まで雄介がしてきてくれた事の恩返しだったのかもしれない。 今まで雄介にだって素直になれていなかった望。 だけど今回は雄介の前だけでは素直になっていたつもりだ。 そこに雄介は気付いてくれているのであろうか?  そして望は結構わがままだと自分自身でも分かっている。 だから雄介は嫌気を差して来ているのではないかと心配だった部分もある。  あの雄介が異動になって違う土地に行ってしまった時にはあまり気にもしなかった。 次、雄介と別れる時にはみんながいたから、そこもあまり悩む所でもなかった。 だが今回は違う。 二人だけでの別れ。 だからなのか悩んでしまっているのかもしれない。  今までの事を考えると今回は二人だけの世界なのだから、いつも以上に別れるのが辛いのであろう。  望はリビング横の壁へと寄りかかる。  気付いた時には目には涙が溢れててきていた。  今まで自分はこんなに弱い人間だったのであろうか?  いや少なくとも雄介に会う前はこんなに弱い人間ではなかったと思う。  人を好きになる事というのはこんなに切なくて悲しいものなんであろうか?

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