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ー空間ー220

 望的にはこんなにも病院に人がいるとは思ってなかったのでろう。 入口から入って左側にロビーがあるのだが、そこにも沢山人がいて、しかも各科の前にも椅子がある。 その両方には本当に沢山の人々が待っていた。  そこで望はある患者さんの言葉を思い出す。 『病院は朝一番で来るのがいい』という言葉だ。 『これを逃すと何時間待たされるか分からない』とも。 望は病院で働くようになってからは、外来で行った事がなかったのかもしれない。 今やっとその患者さん達が言っていた事が分かったような気がする。  受付を済ませて、そこから一時間半位経った頃だろうか? やっと雄介名前が呼ばれたようで雄介は行ってしまう。 すると五分位で帰って来た。 「案外、早かったんだな」 「せやな……こんなもんやろ?」 「んー、まぁ、そうなんだけどさ」  どうも望は納得しないような顔をしている。 「どないしたん?」 「いやな……さっきから考えているんだけどさ」  望は立ち上がると雄介の後に続いて今度は会計がある方へと向かう。 「だってさ、俺らは十時位にここに来たんだぞ。 それで、かなり待たされて、診察時間がたったの五分ってなー」 「はぁ!? 俺からしてみたらむっちゃそれが普通なんやけど……」 「そうなのかもしれねぇんだけど、患者さんの事、待たせるだけ待たせておいて、診察時間なんかホントに無いようなもんじゃん……だからさ、そこを改善する方法って何かないのかな? って思ってさ。 じゃあさ、もし、救急車まで呼ばなくてもまだギリギリで自力で来れるような人が急変したら、どうするんだろ? って思っちまうんだよな」  そう望が一人で語っているうちに会計の場所へと着いた望達。 そこでも更に待たされる。

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