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ー空間ー221
今までは各科に別れていたのだから、まぁ、そんなに人の多さを感じなかったのだが会計する場所では、その今まで別れていた人達が一斉に集まって来る場所だ。 また、そこでも待たされるのであろう。
確かに総合病院だけあって会計をする窓口は沢山あるのだが、それでもあまり回っていないようにも思える。
「ここもなのか?」
「ん……まぁ、そうやんな……」
人が立って会計に向かったと思ったら、また直ぐに人が来る。 会計の所もロビーとあまり変わらない感じがする。 もっともっといい方法はないのであろうか? と望は思っているのであろうが、現実問題何もいい考えはない。
そして会計を済ませてからも薬局に向かうのだから、ここ同じようなもんだ。 今の時代というのは薬に関して患者さんが納得するような説明をしなきゃならないのだから一人につき二、三分は掛かってしまうだろう。
今まで患者さんの立場になって病院内を見た事がなかった。 だが今日雄介に付いて来て初めて分かったような気がする。
やはり何もいい考えが浮かばないのだから現状維持じゃないとダメなんだろう。
やっと薬局でも雄介の番になって駐車場に向かう頃にはお昼を完全に過ぎていた。
「なぁ、これから、どないする?」
雄介はそう助手席へと乗り込むと望にそう声を掛ける。
「ああ、まぁ、そうなんだよなぁ。 時間の方がもう微妙なんだよな? 後はもう飯食って……」
そう急に望は言葉を詰まらせた。
もう今日は十五時の飛行機で望は東京へと向かわなければならない。 そう、もう雄介と別れる時間が刻々と迫ってきている事に気付いたようだ。 本当に夢のような時間というのは早く過ぎて行ってしまっているような気がする。 とりあえず、この三日間、本当に色々な事はあったのだが十分過ぎる程に楽しんだ。 ここで、この夢のような時間は一旦おしまいになる。
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