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ー空間ー230
すると先に来て準備をしていたのは和也だ。
「やっと、戻って来たか。 ま、いいやー、また、雄介とラブラブメールしてたんだろ?」
和也はそうニヤニヤとしながら望の脇腹を突くのだ。
「確かに雄介とはメールはしてたけどさ、でも、俺等の場合にはそんなにラブラブっていう程のもんじゃねぇよ」
どうやら和也に雄介との事を突かれるのは未だに慣れていないらしい。 望は自分の席へと座るとパソコンを開く。
そう今はカルテを紙に書く時代ではない。 パソコンで何もかも管理する時代になってきた。
「相変わらずだなぁ。 望って、そういう話すると直ぐに逃げるんだからよー」
「とりあえず、くだらねぇこと言ってねぇで、早く、診察室の準備しろよなー。 患者さんには待った無しなんだからよ!」
「ホント、望って相変わらず真面目さんだよな……そういうとこ、疲れるんですけどー」
最後の方はブツブツと言う和也。 流石に望にはそこは聴こえてなかったようだ。
二人が午後からの診察を始めると患者さんは次から次へと入って来る。
そして落ち着いた頃だろうか?
また患者さんの事を呼び出すアナウンスで懐かしいと言ったらいいのか? それとも聞き覚えのある名前とでも言うのであろうか? 桜井雄介の名前が呼び出されていた。
その名前を聞いて和也と望はほぼ同時に瞳を合わせて声を上げる。
「あっ!」
「だよな……もう、この名前はアイツしかいないよな?」
そう和也が言った直後に診察室のドアが開くのだ。
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