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ー空間ー234
「今日はさ、望ん家で飲むんだろ? だったらさ、車、病院の駐車場に止めてっていいか? 泊まる気で飲みに行くからさ!」
「ああ……」
とは答えるものの今の望はもしかしたら和也の言葉でも上の空なのかもしれない。
「じゃあ、決まりな!」
そう和也は望に事をフォローする為なのか明るく言い和也の方は先に着替えに行ってしまう。
望の方は机の方の椅子に座って何も無い携帯画面をただ眺めているだけだ。
和也は着替えて出てくると、
「望もほら! 早く着替えて来いよー! 行くのが遅くまっちまうだろ?」
「あ、ああ……ゴメン……」
そう和也にはそれだけ答えると望の方もロッカールームの方へと向かうのだ。
望が着替えた後は今日の望には運転は難しいと感じた和也は望から望の車の鍵を受け取ると和也が運転をし望の家へと向かう。
本当に今の望というのは何もしたくはないのであろう。 そこは和也の言葉を聞いて素直に和也に車の鍵を渡していたのだから。
望は車の中でドアを開ける部分に肘を掛けてボッーと外を眺めているだけだ。
暫くして望の家に着くと和也が今日は望の家の門を開き車を中へと入れる。
「着いたぜ」
「ああ」
望はその和也の声で車から降りるのだ。
相変わらず望の家はシーンと静まり返っている。 ただただ望はその暗い家を眺めている事しか出来ないようだ。 今はこの家の暗さが自分の心のようだと思っているもかもしれない。
望はポケットから自分の家の鍵を取り出しシンと静まり返っている家の鍵を開ける。
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