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ー雪山ー70
雄介はそう言い立ち上がろうとしたのだが、また望に服を掴まれてしまい上手く立ち上がる事は出来ずにもう一度ベッドへと腰を下ろしてしまう事になってしまう。
「ちょ、何!?」
そう雄介は言うのだが望は黙ったまま未だに雄介の洋服を掴んでいる姿が目に入る。
雄介の方はそんな望に困ったような息を吐くと、
「皿置いてくるだけやし、ホンマのホンマちょっとだけ待っててくれたらな……そうそう! 走って行ってくるしな」
そう言うと望の方は手を離したのだが直ぐに布団の中へと潜ってしまったようだ。
とりあえず雄介は走って下へと向かい、お皿を置いてくると食器さえも洗わずに二階へと戻って来ると未だに布団の中に潜ってしまっている望。
こんな状態では望が直ぐに機嫌を直す訳がない。 そんな事は分かっているのだが雄介は考えながらベッドの端へと腰を下ろす。
雄介の方は困った表情で顎に手を当てて考えていたのだが望は雄介の腰の辺りに腕を回してくる。
「へ? え? ちょ、今日の望……どうしたん?」
その望の行動に驚く雄介。 しかも、いきなりの望の行動に思わず立ち上がろうとしたのだが望の力が案外強かったようで雄介の体は再びベッドへと落ちるのだ。
そして望はスルスルと雄介の後ろで半身を起こすと雄介の耳側で絶対に望の口からは言わないであろう言葉を口にする。
「……なぁ、雄介……抱いて……」
そんな事を雄介の耳側で口にする望。 誰だって、そんな耳側でそんな事を囁かれたら体をビクつかせるに決まっている。 だからなのか雄介だってそこは体をビクつかせていた。
「ちょ、ちょー、ホンマ……それは、辞めてぇな」
雄介はそう望に抗議するのだが、雄介の言葉とは裏腹に望は雄介の事を挑発するかのように今度は雄介の耳に息を吹きかけるのだ。
「ちょ、望……何がしたいん?」
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