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ー雪山ー152
「ほら! やっぱり! 自信無さそうじゃないんですかー? 人間って一番好きな人の事っていうには話してしまうんですからね」
そう裕実の言葉と言うのは完全に人間の心理を突いてきている言葉ばかりだ。
その和也と裕実の会話を聞いている雄介と望。
雄介は今まで大人しく二人の会話を聞いていたのだが、丁度、会話が切れた所で、
「和也……それはホンマの事なんか?」
そう雄介は低い声で和也へと問う。
「……ホントじゃねぇよ。 こんなのデタラメに決まってるじゃねぇか……! ……?」
和也は雄介に向かいそう言うのだが和也の隣にいる裕実から痛い程の視線を感じ裕実はその和也の言葉に対して和也の事を睨みあげてきている姿が目に入ってくる。
「和也さん……僕がさっき言っていた事は嘘だと言うんですね?」
そう切なそうに下を向いて言う裕実。
「そ、そういう意味で俺は言ってねぇんだよ。 とりあえず、今は、俺の方は裕実だけしか見てねぇんだからよ。 そこはマジに信じてくれ! それに、あの時は裕実も雄介もいなくて誰かに相談出来る状況でもなかったしな。 自分自身どうしたらいいのか? っていうのが分からなかったっていうのかな? でも、先週のは完全に未遂だろうが……それに、俺はあの時、望の事を見捨てて、裕実の事追いかけて行っただろ?」
「……未遂って? じゃあ、もし、僕があの状況に和也の家に入って行ってなかったら? もしかしたら、未遂で終わらなかったかもしれなかったんじゃないんでしょうか?」
本当に裕実という人間は敵に回すもんではないと和也の中でそう思っているのかもしれない。
そう裕実という人物は和也以上に頭の回転がいいのかもしれない。 そういう風に質問してくる裕実に和也の方がたじたじだからだ。
確かに、あの時、裕実が部屋に来なかったら!? 和也はどうしていたのであろうか? 確かに、今、裕実にそういう風に質問されてまで考えてもなかった事だったのかもしれない。
和也の方は本気で瞳を宙に浮かせて今の裕実も質問を考える。
「和也さん! そこ、今、そんなに真剣になって考える所ですか!? ってか、考える事なんかあるんですか? 普通ならそんな事、簡単に答えって出てくるもんなんじゃないんでしょうか?」
そう質問攻めというのか裕実に色々と問いかけられている和也。 その時、和也はフッと疑問に思った事が出てきたようで裕実の方に視線を向けると、
「……ってか、何で、あの時、お前は家に来たんだ?」
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