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ー雪山ー153
「話を誤魔化さないで下さいよ! そうやって、自分の立場が危うくなると和也さんて話を変える癖ありますよね? とりあえず、それは後で話しますから、今は僕の質問の方を答えてくれませんか?」
そう裕実の方は和也の事を真剣な瞳で見上げる。
「だからそれはだな……力づくでも望の事を退けて……」
「その時、そんな仕草見受けられませんでしたけど……」
「いや、俺の方はマジで望の事を退けようとしてたんだからな! でも、何でかその時に限って望の力がすごかったっていうのかな? マジで、この俺が危険だなーって思った位にな。 それに重力の関係上、下にいる方が不利ってか力がないっていうのかな? 上の方が有利だって事だ。 だから、裕実にはそういう風に見えてしまったのかもしれねぇんだけどさ。 俺の方はあれでもかなりの力で望の事を退けようとしてたんだけど、やっぱり、俺が下だった関係上、力が出なかったって事なのかな?」
「確かに一瞬はそうでしたけど、その後、和也さんは直ぐに僕の事追いかけて来ませんでした? じゃあ、和也さんがそういう風に言っているのなら、何で、和也さんはあの時、上にいる望さん以上の力が出たんでしょうか? ……で、僕の事追い掛ける事が出来たんですか?」
和也はその裕実の質問に鼻で笑うと後部座席の方へと背中を預ける。
「馬鹿か……。 お前って、そこまで頭の回転が速いのに、やっぱ、どっか抜けてる所があるんだよな? 冷静になって考えてみてくれよ。 どうして、あの時俺は望から抜けられた? っていうのをさ」
和也は今度は逆に裕実に向かって質問を投げかける。
「とりあえず、望と俺の力はほぼ互角だろうよ。 だけど、望の方が上から力を入れているんだから、確実に俺の方が望より力はないと思われる。 でも、裕実が来てからは抜ける事が出来た。 どうだ? 答えは簡単だろ?」
今まで押され気味だった和也だったのだが余裕を持ったのであろう裕実の方へと笑顔を向ける。
「こんな簡単な答え出ないのか?」
「く、悔しいけど……僕には分かりません」
和也は裕実の頭をくしゃくしゃと撫でると、
「望よりお前の方が好きだからに決まってるだろ? 俺がまだ望の事が好きなら、お前の事追いかけたりもしねぇだろうし、そもそも、望と二人きりになれたっていうんだったら、あの状況だったら、きっと、望と俺はやってたんじゃねぇのか? しかし、裕実があの時来なかったら望とのベッドの上でのあの攻防戦はいつまででも続く所だったんだぜ。 裕実が来てくれたから、俺の方は愛のパワーで望から抜け出す事が出来たんじゃねぇのかな?」
やっと、あの時の誤解が完全に解けたのかもしれない。 裕実の方も和也にいっぱい質問して納得したのであろう。 和也の事を抱きしめるのだ。
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