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ー雪山ー154
「やっぱり、和也さんって雄介さんなんかよりもカッコいいですよー。 僕は和也さんの事が全部好きですからね」
そんな二人の会話を聞いていた雄介は、ため息を吐きながら、
「はぁー、この二人の会話っちゅうんは、熱くて聞いておれんわぁ」
そう雄介は独り言を漏らすと正面の方に視線を向ける。
「ま、色々と今まで溜まっていた分が解けたみたいなんだしいいんじゃねぇのか?」
今の雄介は独り言で言ったつもりだったのだが今の望の言葉に再び目を丸くする雄介。
「ん、まぁ……せやな……」
そう無難に答えておく雄介。
「ま、まぁ、とりあえず着くみたいだけど……」
望はぼそりと言うと雄介はまだ後部座席の方でイチャイチャとしている和也と裕実の方に視線を向けて、
「もうすぐ着くって望が言うとるで……」
そう言う雄介に望はクスリとしていた。
「ん! 何?」
「ん? 俺が今、お前にだけ聞こえるように言ったのは、お前の事を信じていたからなんだよ。 今の言葉、きっと、お前なら後ろの二人に言ってくれると思っていたからな」
「そうだったんか」
雄介は今の望の珍しい言葉に嬉しくて望の事を抱き締めようかと思っていたのだが望が運転中ってこともあったが雄介の方も望の性格をもう大分知り尽くしているのだから、今、望にそんな事をしたら、せっかくの甘いムードが台無しになる可能性があると思い辞めたのであろう。
その時、後ろでイチャイチャしていた和也だったのだが、
「窓の外、すっげぇ! 雪だぞ!」
「なんや、和也達は今頃気付いたんかいな……俺等はさっきから気付いておったでー、まぁ、確かに今までお前等は話もしておったし、イチャイチャもしておったみたいやしな」
そう雄介の方はそのイチャイチャという言葉を強調して言う。
「うるせぇよ。 本当は雄介ー! 俺達の事が羨ましいんじゃねぇのか? だけど、裕実は渡さねぇぞ……」
「まぁ、確かに多少は羨ましいとは思うねんけどな。 俺は俺の方で今のままで十分なんやって」
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