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ー雪山ー155
そう言うと雄介は望の方に笑顔を向ける。
その雄介の行動に望の方も笑顔で、
「ああ」
と答えるのだ。
「俺達の方はそういうこっちゃ」
「そっか、なら、いいか」
「ああ」
和也は裕実と一緒に窓の外を見ると雲一つない青空に、まるでトンネルのように積もっている雪の壁とのコラボレーションに感動しているようだ。
東京ではこんなには雪が積もった事がない。 だから、こんなにも沢山の雪が積もる場所に行かなければ見れない光景だ。
東京にあまり雪が降らないのは地球温暖化というのもあるのだが本州の中央部には山脈や山が並んんでいる。 その山々が邪魔をして雪雲が山を越える事が出来ないからである。 太平洋側で雪が降る場合には南岸低気圧が迫って来ている時に降ることが多いのだが、それだって日本海側のように降る事はない。
「僕、こんなに雪を沢山見たのは初めてですよー!」
「まぁ、俺の方はたまに来てたから見た事はあったけどな」
そんな事を話しているうちに車はスキー場の駐車場へと着きそうだ。
「そういや、雄介達にスキーの話は任せておいたけどさ、旅館じゃねぇのか?」
「ん? 旅館じゃなくてコテージにしといたわぁ。 だって、色々な意味でコテージの方がええやろ? ま、露天風呂の方は少し離れた所にあるらしいねんけど……」
「あー! 流石! 雄介! そういう事ねー!」
「そりゃな」
そう雄介がそう言った直後、望はわざとなのか急に急ブレーキを掛けて、
「痛っ! 望なぁー」
「あ、悪ぃ、悪ぃ……ブレーキとアクセル踏み間違えちゃったみたいだ」
「そんなんちゃうやろ?」
そう雄介は今に衝撃でどうやら頭をヘッドレストへとぶつけてしまっていたらしいのだが、やはり、シートベルトのおかげでそんなにダメージはなかったのか打った頭を摩りながら車を降りて行く。
「さぁな……」
「……ったく。 望は相変わらずやっちゃなぁ」
雄介はサクサクと雪を踏み鳴らしながら荷物が入っているトランクの方へと向かう。
雄介が降りた後に和也の方もトランクの方に向かって、和也は裕実に向かって、
「裕実の荷物は旅行鞄一個分かぁー、持ってやるよ」
「ありがとうございます。 流石、和也さんですね!」
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