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ー雪山ー190

「ん? さっきな……上から滑って来る時にスピードがあった挙句、吹雪で視界が悪くてコース外れちゃったみたいでさ、足を木にぶつけたらしいんだよな」  和也は簡単に望に説明すると雄介が履いているズボンを破り始める。 「和也! 後は俺がやるから!」 「ああ……」  和也は望にそう言われて雄介から離れると望へとバトンタッチするのだ。 「とりあえず、和也! 服を脱げ!」 「はぁ!? 俺? ってか、いきなり俺なんだよー」 「中に着ているTシャツ包帯代わりにするんだから、脱げって言っての!」 「そりゃ、Tシャツは着てるけどさ、でもな……何で俺なんだよ」  そう和也はブツブツと文句を言いながらも服を脱ぎ一番下に着ていたTシャツを望へと渡すのだ。 「……ってか、望だって、一番下にTシャツ着てるんじゃねぇのか?」 「俺は寒がりだからな」 「……って、そこそういう問題なのか?」  とまた小さな声でブツブツと言う和也。 そう言いながらも和也の方も床へと腰を下ろす。  一方、望はウェアを一枚脱いで中に入れておいたウェストポーチの中からちょっとした応急手当て用の道具を持って来ていたのか、それを床へと広げる。  それを目にした和也は、 「……望?」  望はその和也の言葉だけで何が言いたいかが分かったのであろう。 「当たり前だろ? 普段から、こういう物一応持ち歩いてるんだよ。 もしも、何かあった時の為にな」 「まぁ、確かにそうなのかもしれねぇけどさ」 「とりあえず、雄介の奴……足折ってるみてぇなんだよな。 だから、和也、何か添え木になるような物見つけて来てくれねぇかな? それと、滑れるようなら、コテージまで行って応援の方を……って、思ったんだけど。 こんな吹雪じゃあ、和也も危険な目に合わせる事になるのか。 しかも、この吹雪じゃあ、ヘリも飛べないだろうし。 やっぱ、晴れてくるのを今は待つしかねぇのかな?」 「ま、いいや……とりあえず、添え木位は探して来るからさ」 「ああ、そうしてくれるとマジ助かる」  和也はそう言うと部屋の内部をキョロキョロと見渡し添え木になるような物を探し始めたようだ。  それに加わったのは裕実だった。 裕実も一緒になって探し始めてくれる。  とりあえず二人が探しに行っている間に望は雄介の足の様子を確認をし雄介の足を両手で包み込むように触れ太ももの辺りから下の方へと触っていると、 「……っ」  そう痛そうな声を上げる雄介。 「ゴメン……痛かったか?」 「ん……ちょっとな……」

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