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ー雪山ー191
「少し、我慢しててくれねぇかな? 多少痛み和らぐようにしてやるからさ」
「ああ……。 望になら任せられるわぁ……ほな、宜しく……くっ!」
雄介は痛みで顔を歪ませながらも望の方に笑顔を向け望に身を任せたようだ。
「望ー! 添え木見つけて来たぜ!」
「おっ! サンキュー!」
望は和也から添え木を貰うと、さっき和也から借りたTシャツを破り雄介の骨折した所へと巻いていく。
「とりあえず、雄介の方はこれでいいんだけど……後は天候次第って所か?」
望はそう言いながら窓の外へと視線を向ける。 すると、もう外は暗くなって来ているようで完全に外の世界は暗闇に包まれていた。
「この分じゃ、明日も危ういよな?」
「まぁ、幸い、出血が少なくて良かったけどな。 もし、出血が酷かったら、雄介明日まで持つかどうかだったからな……そういうところじゃ、時間の猶予があるって感じだったしな」
「そうだな」
和也は雄介の近くに腰を落とすと、
「雄介? 大丈夫か? 痛みはまだあるのか?」
そういつも病院で働いている時みたいに和也は雄介にそういう風に声を掛ける。 いや病院で働いている以上の言葉なのかもしれない。 そこは和也からしてみたら雄介は友達なのだから、そりゃ患者さん以上に心配なのだから。
「まぁ、と、とりあえずは大丈夫やねんけど、動かすとってところなんかな? ホンマ、動かすだけで……ちょ、痛い……って……」
「当たり前だ……折ってんだから痛いに決まってるだろ」
望は心配するどころかいつもの調子で言ってしまっている。
そりゃ、勿論、この三人の中で一番心配しているのは望だろう。 でも、だからって、この状況で望が乱れてしまったって、どうしようもないのだから平常心を保とうと必死なのかもしれない。
和也からしてみたら、もっと雄介の事を心配してもいいんじゃないか。 と思うのだが、それが望なりの平常心の保ち方なのかもしれない。
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