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ー雪山ー202
望はチラリと和也と裕実の方へと視線を向けると二人はイチャイチャとくっつき、ふざけている姿をが目に入ってくる。 その二人の姿を見て望の方はため息を漏らすのだ。
「どないしたん? 浮かない顔して……まさか、アイツらが羨ましいとかって思うとるんじゃないやろな?」
そう雄介はふざけて言ったつもりだったのだが、
「案外……そうなのかもな……」
と望は雄介の耳に届くか届かないかの声で言ったつもりだったのだが、どうやら、その声は雄介に届いていたらしく、
「ほなら、俺等も……」
雄介は少しだけ半身を起こして望の肩へと手を伸ばしたのだが望は瞳を座らせて、
「ったくー、お前って本当に直ぐに調子に乗るのな。 だから、そういう事をお前の前ではあんまり言いたくねぇの。 だけどさ、本気で俺はお前にだけはそう思ってるって事なんだからな」
望の方はそう切なそうな顔をすると雄介の事を見つめる。
「それはいいんだけどさー、雄介、大人しくしてないと多分、痛くなると思うぞ……」
望は肩に回されている雄介の腕を離し、そっと雄介の体の横へと下ろす。
「また、体が治ってからな」
「ああ、まぁ……そういうこっちゃな」
雄介は望の言葉に安心したのか天井を見上げるのだ。
「それよか、和也……さっきの話はどうなんだよ。 そこまで俺にしたんだから、話してくれるんだよな?」
「別にー、俺的には全然構わないんだけどな。 それに、今は裕実がいるしな」
「裕実がいる」とは、一体、どういう意味なんだろうか? そう意味ありそうな感じがする。
「あ、ああ……で?」
そう望は和也の言葉に返事はしたものの、やはり和也が今言った意味が分からないのか首を傾げながら返事をするのだ。
望がフッと腕時計に視線を向けると時刻の方はもう既に十二時を過ぎていた。
相変わらず外は吹雪の方は止んでないように思える。 今日一日だけならなんとか精神的にも体力的にも保ちそうな感じなのだが、また明日も明後日もここに居るとなると気持ち的にもヤバくなってくるのかもしれない。
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