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ー雪山ー201
今までふざけていた和也はどこにやら和也は真剣な瞳で望の瞳に視線を合わせるのだ。
その和也の言葉で流石に望の方も言ってはいけない事だったのかと反省しているのかもしれない。
「そっか……そういう事なら、別に話さなくてもいいぜ。 俺の方ももうこれ以上は聞こうとは思わないしな」
望の方はもう仕方なしに、その話については言わないようにしたらしいのだが、
「引っかかったー! 引っかかったー! なるほどな! こうすれば望を騙す事が出来るんだー!」
と一人納得している和也だったのだが、そう言われてしまっている望の方は穏やかではない。 人が親切を無駄にしてくれたとでも言うのであろうか。
「お前なー! また、やったな! ふざけんじゃねぇぞっ!」
そう望の方はフッと立ち上がって、また和也の事を小突こうとしたのだが、それを阻止しようと裕実が望の前へと立ちはだかる。
「望さん! そんなに和也の事、イジメないで下さいよ。 僕の大事な恋人なんですからね!」
そう裕実は望の事を睨むようにして見上げる。
「裕実……?」
いきなりそんな行動に出た裕実に少し驚いたような口振りで言う和也。 だが和也は次の瞬間には何故か大笑いをしている。
「裕実は知らないのかもしれねぇけど、これが、俺達流のスキンシップっていうのかな? 俺的には望とのおふざけって感じなんだけどな。 とりあえず、望の方はどう思っているのかは分からないけどさ、でも、俺はふざけているだけとしか思ってないんだけど」
和也はそう言いながら、今和也の前に来ている裕実の体を後ろから抱き締める。
そんな二人の姿を見て望はため息を吐くと、ゆっくりその場に腰を下ろすのだ。
「まぁ、そういう事だな」
そう望の方も和也から視線は外しているものの、そう呟くように言うのだった。
「でも、望さん! もう、和也さんの事、イジメないで下さいね」
そう念を押すかのように言う裕実。
「分かったって……」
と望はそうつまらなそうに答える。
「ホンマ、アイツらはラブラブやねんなぁ」
そう雄介はクスクスと笑いながら望の事を見上げる。
「みたいだな……」
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