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ー雪山ー225
「だからさぁ、ドアの向こうに立ってたって人物はあれだ……昨日、山小屋で話してた人物だったって訳。 まぁ、俺が見た時点では病院の廊下を走らないで、見舞客を装って歩いて行ったって感じだったけどな。 だってさ、病院って走っちゃいけないような所だし、走ってなんかしたら、不自然だろ? だから、歩いて去って行ったらしいんだけどさ、でも、俺的にはあの長身っていうのがなぁ、忘れられないっていうのか逆に言えば長身って少ない訳だろ? 俺の中で長身だって思っておいる人物っのは、雄介とその男しかいないしさ、だから、アイツかな? って思ったんだよ」
「じゃあ、やっぱり、その人はまだ和也さんの事、諦めてないって事になるんじゃないんですかね?」
「みたいだよな……」
「何、他人事みたいに言ってるんですかー?」
「あのなぁ、これは俺の問題だって言ってんだろ? 俺が何とかするから、信じてくれよ!」
和也は裕実の肩を両手で掴むと裕実の瞳をジッと見つめる。
「あのなぁ、昨日それも話しただろ? お前の方こそ、俺達の事信じてくれてねぇって事なんじゃねぇのか? 信じてねぇから自分で解決させようとしてるんじゃねぇのか? 頼ってねぇからこそ、自分しか信じられないんじゃねぇのか? 今はそこかっこつけるところじゃねぇんだよ……仲間や恋人を頼って、信じろって言ってんの。 本当にこの問題、お前一人で解決出来そうな問題なのか? ある意味、アイツはお前一人になるのを待って話しようとしているんじゃねぇのか? それなら、尚更、お前の事、一人にさせられる訳がねぇだろうが……」
望を敵に回すとはこういう事なんだろうか。 裕実もそうなのだが、また望もこうも言葉に説得力がある。 そして言葉を返せない。 何で今まで近くに仲間がいたのに和也は今まで気付かなかったんだろ? と改めて気付くのだが和也の問題はそれだけではない。
仲間の事を傷付けたくなのもある。
まだアイツは動き出したばかりだ。 そして、どんな人物かさえも今のところは分からない。 しかも、これから和也にどんな仕掛けしてくるのかも分かっていない人物だ。
まだ自分達は傷付けてられてはいないのだが全くもって本当に何も分かっていない人物でもある。
分かっているのは以前、春坂病院に入院していて他の病院の医師で和也を引き抜こうとしているという人物しか分かっていないという事だ。
これからの物語にこの新城颯斗という人物がキーワードになってくるのであろう。
【ー雪山ー】END
NEXT→ー波乱ー
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