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ー波乱ー28
望は病室でイチャつく和也と裕実を見て、ため息を吐くと、それと同時に雄介の方にチラリと顔を向ける。
すると雄介は望のその視線に気付いたのであろう。 望と視線が合うと望の方へと笑顔を向け、
「何気に和也と裕実の事が羨ましいんとちゃう?」
と小さな声で言う雄介。
「ば、ばーか……そんなんじゃねぇよ」
望は直ぐに雄介から視線を外すと雄介とは反対側へと顔を向けてしまうのだ。
「望……嘘吐くなや。 嘘だって、もう顔に出てんやで。 今の望の顔、真っ赤やったしな。 確かになぁー、和也と裕実見てると羨ましいって俺も思うしな。 だって、俺等は最近、キスもしてへんしなぁ。 流石にそろそろしたい思うねんけど、アカンか?」
その雄介の言葉に返事しない望。
「なぁ、望? こう望が最近イライラしてんのは、キス出来てないからなんとちゃうんかな? 欲求不満やから、イライラしてるんとちゃうの?」
今まで雄介の言葉に黙っていた望だったのだが急に雄介の方に顔を向けて、
「あー! もう! 違う! そこは絶対にそこは違うんだからな……」
最初のうちは強く言っていた望だったのだが急に自信を無くしたというのか最後の方は小さな声で言うのだ。
そんな望に対して今の望の態度で何かを悟ったのであろう。 安心したような笑みをすると近くにあった望の手首を取って少し腕に力を入れると引き寄せる雄介。 雄介が力を入れて自分の方に望の事を引き寄せた事によって望はバランスを崩し丁度雄介の体の中にすっぽりとおさまる感じになる。
「久々の望の温もりだわぁ。 俺はめっちゃ安心するって感じがすんねんけど、望はどんな感じなん?」
その雄介の質問に、やはり恥ずかしいのか答えずにいる望。 だが望の方も久しぶりに恋人の温もりを感じているようで、どうやら大人しくそこに収まっているのだからきっと満足しているのかもしれない。
だが今のこの四人にはこんな風に恋人同士でまったりとなんかしてる場合ではないような気がする。
「雄介……確かに嬉しいんだけどさ、今はこんな事してる場合じゃ……ないんだけどな」
「……え? あ、せやったな。 ホンマはもっと望とこうイチャつきたかったんやけど……確かに望の言う通りやんなぁ」
雄介仕方無さそうに望の手を離すと、
「和也……裕実も来て、四人集まったんやし、本題に入ろうや?」
今はまだキスを交わしていた二人だったのだが雄介の言葉が耳に入ってきたのかもしれない。 和也は雄介の方に視線を向け、
「そうだったな……」
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