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ー波乱ー137
その望の言葉に言葉を詰まらせてしまう雄介。
きっと望は『積極的』になるとまでは和也からは聞いてなかったのであろうか? いや、もしかしたら望は確信にしたかったのかもしれない。
まぁ、この事について別に隠す必要はなかったのだが何だか言葉のノリで言ってしまった自分に雄介は若干ヘコんでしまったようでベッドの上へとダイブしうつ伏せになる。
それから望の方は五分経っても十分経っても裕二からの返事がなかったようだ。
「親父……手術でもしてんのかな? メールの返事来ねぇし」
「ほなら、もう、パソコンの方は消して寝ようや?」
「ああ、まぁ……そうだな」
望はその雄介の言葉で素直にパソコンを切ると電気を消して雄介がいるベッドの上へと向かう。
「今日はなんもする気ないし、それは、明日にとっておくわぁ」
「ん……」
そう望は甘いようなよく分からない返事をすると雄介とは反対側を向いて目を瞑るのだ。
「おやすみ……」
と雄介の方も反対側を向いてしまった望の体を背中側から抱き締めると雄介の方も目を閉じる。
そして次の朝、雄介はいつもと同じ位に起きてキッチンで料理を作り始めるのだ。
朝から野菜を切る音やにくが焼ける音を聞きながら望は目を覚ますと階下へと向かう。
目を擦りながら望はキッチンに立っている雄介の事を見ていると今日の雄介はいやに頑張っているように見えるのは気のせいであろうか?
「雄介……何、そんなに張り切ってるんだ?」
そう言いながら望は椅子へと腰を下ろすのだ。
「もう、起きてもうたんか?」
「まぁ、こんないい音させて、いい匂いさせてたら目が覚めない訳がねぇだろ?」
「そっか……早めに起こしてもうてスマンな」
そう言う雄介なのだが望は口にはせず頭を頷かせる。
「まぁ、もうすぐ出来るし……ちょっとだけ待っておって……今なついでにお昼ご飯も作っておる所やしな……そうそう! 昼は弁当にしたいし! 今日はデートなんやろ? ほなら、海の方まで向かって砂浜で弁当食べる事にしようかな? って思うとるしな。 外で食べるご飯は美味いと思うで!」
「ああ、そうだな」
雄介の方は今日のデートは楽しみにしているのであろう。 本当に楽しそうに料理を作っているようにも思える。 望はそんな姿の雄介を見ながら微笑んでいた。
「ほな、とりあえず……朝飯な」
そう言って雄介はテーブルにおかずを並べていく。
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