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ー波乱ー140

「まぁ、ホンマは砂浜にシートでも広げてお弁当食べようかと思うとったんやけど、やっぱ、まだ、外では寒いし、車ん中から水平線でも見ながら食べようや」 「ああ、そうだな」  雄介は望の手を取ると今来た道を戻って行く。  そして車へと戻ると後部座席に置いておいたお弁当を取って二人は車の中でお弁当を口にする。 「スマンな……ホンマはこないな筈じゃなかったんやけど……」 「そこは別に気にしてねぇよ……ま、二人だけで居られるだけでも違うんじゃねぇのか?」 「せやなぁ」  今日は思い切って海にまで足を運んで来て良かったと思っているのかもしれない。  久しぶりに望がなにもかも忘れて笑顔だって沢山見れたのだから。  昼ご飯を食べ終えた二人は昨日雄介が言っていた通りにホテルの方へと向かうのだ。  いつもとは違う雰囲気に二人は何も考えずに盛り上がり普段は一回位で終わらすつもりが今日は二回も楽しんでしまったようだ。  帰る頃にはもう辺りは暗くなってきていて東京方面へと戻って来ると夜空に輝く星以上にネオン輝く街となっていた。  あの地震から、もう大分日が経ってるからだろうか? 完璧にはならないものの今では夜でも明るい街へと変わって来ている。  二人が帰宅してきたのは夜の十時。  後はもうお風呂に入って、寝る時間だ。  本当に楽しい時間というのはあっという間に過ぎてしまうもんだ。 明日からはもう二人共仕事。  二人はお風呂から上がるとベッドの上へと横になる。 「望……」  そう雄介は望の名前を愛おしそうに呼ぶと望の上に体重を掛けないように乗っかり望の頰を撫でる。 「なんだよ」  望はそう気だるそうに答えるのだが、やはり恋人に名前を呼ばれるのが嬉しいのか目は若干めんどくさそうにしていたのだが頰の方は緩んでしまっているようだ。 「明日一日会えないし、寝る前にキス位はいっぱいさせてぇな」  そう雄介は甘く囁くように言うと望の唇へと唇を重ねるのだ。  それから雄介は望との甘い時を過ごすと満足したのか体をベッドへと預け瞳を閉じる。  望の方も満足したのか瞳を閉じるのだった。

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