1036 / 2160
ー海上ー60
望はニュースを見ていた。 すると、そのテレビ画面の右上の方に出ているテロップみたいなのには『爆発事故発生 怪我人が数人いる模様』と書いてあるのが目に入ってくる。
それだけで、和也は、
「……爆発事故じゃねぇか……場所の方は……」
と今度はテレビ画面の左側の方には『Live 夏見市』と書いてあった。
夏見市と言えば春坂市からしてみたら右隣の地名だ。
「場所の方は隣町でか……じゃあ、俺達の方も行かないとな」
そう和也が口にしたのもの束の間、裕実の方は和也とは違う事を言っているようにも思える。
「和也……望さんの方はどうやら違う事を言いたいみたいですよ。 だって、和也! 見てください! 今、テレビに写っているのは雄介さん所のレスキュー隊みたいですからね」
「はぁ!?」
そう和也は裕実に言われてテレビの方に再び視線を移すと確かに春坂市の消防車が映っている。
「最悪だな……」
「最悪って!?」
「さっき望に聞いただろ? 今日は親友の命日なんだって……だからさ、なんだろ? もし、ここで雄介もって事になったらさぁ」
和也の方はそう冷静に分析して言ったつもりだったのだが裕実はその和也の言葉にプチンとしてしまったようだ。
裕実の方は席を立って和也に向かって大声を上げてしまったのだから。
「何を言ってるんですか!? 雄介さんはどんな事があったって死にませんからね! どんな事があったって、雄介さんは元に戻って来ますからっ!」
「……ってかさぁ、お前がそんなにキレる事はないだろ? それにあくまで俺は『最悪』って言っただけなんだしよ。 誰も雄介が死んだとは言ってねぇぜ……」
「確かに……あり得るのかもな……」
望は二人のそんな会話を聞いていたのか、そうぽそりと口にするのだ。
その望の声に和也と裕実は冷静になったのか席へと腰を下ろしてしまう。
こういう日に限って嫌なニュースが流れてしまい部屋の中も重たい雰囲気になってしまった。
和也の方は足早に食器を片付けると裕実と一緒に望が座っているソファの方へと向かう。
和也の方は望と裕実が座っているソファの背後へと立ち目の前にあるテレビの大画面を見上げる。
今まで和也達の方は真剣にテレビ画面の方に視線の方を向けていなかったのだが生中継なのだから暗い中爆発した現場が写されている。 暗い中に見えているのは赤い炎だ。 暗いからなのであろうか? 轟々しく燃え盛っている様子が分かる。
と、その時、急に二度目の爆発が起こってしまったようだ。
テレビ画面に視線を向けていた二人だったのだが今の爆発音で何故か反射的に身をかがめてしまっていたのだから。
爆発事故ではただただ見てる事しか出来ない三人。
するとアナウンサーの声で事故の様子が語られる。
「今の爆発でどうやら負傷者が出たようです! 情報によりますと、レスキュー隊員の一人負傷したという事のようです」
そう言った矢先、望は急にソファを立ち上がる。 きっと、もう居ても立っても居られなくなったのであろう。
ともだちにシェアしよう!

