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ー海上ー84

 人間、何か考えるている時というのは自然と上の方を向いてしまうもんだ。 今の望はまさにその通りなのかもしれない。 「これが病院でって事なら屋上とか……かな? 何でか屋上ってさ誰も普段は来ないような所だから落ち着くっていうのかな?」  望がそう言うと、 「なら、屋上の方に行ってみませんか? 温泉に入った後ですし、確かに涼みに屋上に行ったのかもしれませんしね」 「頭を冷やす為にも丁度良い所だしな。 見に行ってみるか!」 「はい!」  裕実はそう大きな声で返事すると二人はエレベーターを使って屋上へと向かうのだ。  屋上へと繋がるエレベーターが開いた瞬間、海が見える方の柵に掴まりながら夜空を見上げている人物が目に入ってくる。  だが、それは人影っていうだけで、その人物が誰かなんか望達がいる所からは分からない所だ。  望と裕実は一歩ずつその人物へと歩みを進めてみる。  雄介や和也じゃないのかもしれないのだが、もし、その二人じゃなければ引き返せばいいだけの話だけであって近付いてって誰かっていうのを確認してくるだけだ。  望達が歩み進んでいる間に近くにある灯台がその人物を照らしだす。  それとほぼ同時位にその人物が望達の方へと振り向いてくれたようだ。 多分、誰かがきた事に気配で気付いたのであろう。  それと同時に、裕実はそこに居た人物が探し求めていた人物で思わず、 「和也!」  そう口にする。 その探し求めていた人物だと分かると裕実は一目散に和也へと駆け寄り後ろから和也の事を抱きしめるのだ。 「……へ? 裕実どうしたんだ?」 「うー、和也! 何で部屋に戻って来なかったんですか? もう、あれから一時間は経ってるんですからねっ!」 「え? あ、ゴメンな……ほら、喧嘩したばっかりだったし、お前が心配してくれてるなんて思ってもみなかったしさ。 それに、さっきの事は俺が悪いし、帰るに帰れなかっただけだからさ……ホント、ゴメン……こんなアホな俺でさ」  和也にしては珍しく顔を俯けてまで謝ってくる。 そして何かホッとしたのかそれとも未だに和也は謝罪の気持ちがあるのか、その場へと腰を下ろす。  そんな和也に裕実の方は和也の目線になってまで腰を下ろすと、 「和也! 今回の事は気にしないで下さいね! 僕の方はどんな和也でも好きなんですから。 でも、流石に今回の事だけは……でもでもでも! せっかくの休みに和也と離れたくはないっていうのが本音ですから、これから一緒に居ませんか?」  その裕実の言葉に和也は顔を上げると、 「ありがとうな……裕実……俺も実は裕実と一緒に居たかったんだよな。 だけど、やっぱり今回の事は俺の方が悪かったからなかなか帰りづらくてさ」  和也はそう裕実の方に笑顔を向けると今まで離れていた分を取り戻すかのように軽く強く裕実の体を抱き締めるのだ。

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