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ー海上ー122

 雄介が必死になって望の姿を探して心配した矢先に望の方も雄介の事を探していたのであろうキョロキョロと辺りを見渡し雄介の事を探しているであろう姿が目に入ってくる。  雄介は望の姿を見つけると直ぐに望の手を取るのだ。  その一瞬望の方は体をビクりとさせたのだが視線を上げてそれが雄介だという事に気付くと安心したような表情を雄介に見せる。 「ほんま良かったわぁ……直ぐに見つかって……」 「お、お前が先に行っちまうのが悪いんだろうが!」  望は本気に怒っているらしくその場で声を荒らげる。 「スマンな。 眼鏡の方も戻って来たし、俺の手はもういらんかな? って思うてしまってな……せやな、そう思うてしまって望の手を離してしまった俺の方が悪かったわぁ」  雄介の方は困ったような表情をしながらそう言うのだが望の方は顔を伏せて、 「と、とりあえず、ココ人混みだぞ……だから……その……お前に手を離されちまったら……」  その後の言葉が続きそうにもない望に雄介は、 「分かった……せやなぁ、人混みの中は手離したらあかんって事やんな? せやから、望の手離さへんわぁ」  雄介は今度望の手を離さないように人混みの中を歩き始める。 「……って、雄介……本当に何処に行く気なんだよ」 「特に行きたい所はないんやけどなぁ。 デートなんやから車でなんかより歩いた方がデートって感じせぇへん?」 「まぁ、確かにそうなんだけどよ。 なら、何か目的をもって行動した方がいいんじゃねぇのか?」 「たまにはええやんかぁ、いつも俺等は縛られたような仕事してんねん、せやから、オフの時位自由に動かへんか? もしかしたら気分転換にもなるかもしれへんのやし」  雄介の意見に気は向いてないようなのだが、とりあえず望は雄介に付いて歩いている。  だが人混みが少し和らいだ直後だっただろうか? 今まで普通に歩いていた雄介なのだが、 「ちょ、待った……望……」  雄介が突然額を押さえながら急にそこへと座り込む。 「どうしたんだ!?」 「ただの目眩やって……」 「目眩……!?」  望は近くにあったベンチに雄介の事を座らせると、 「お前な……まさか、寝ないでデートに来たとか言うんじゃねぇだろうな?」 「と、とりあえず、二時間位は寝たけどな」 「そんなの寝たうちの入らねぇよ。 なら、休める所に行くぞ! 今はもう眼鏡あるし俺が運転出来るからな」 「せやけど、せっかくのデートやのに?」 「馬鹿な事言ってねぇで行くぞ」  望は雄介の手を取ると今来た道を戻ってデパートの駐車場へと向かうのだ。

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