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ー過去ー95
「なーんだ、例えばか……。 例えばでも、そんなに雄介の事を思って、仕事辞めたいっていう言葉が出てくるなんてさぁ」
和也のその言葉で和也が何を言いたいのかが分かったのであろう。 望は目を座らせると和也の額へとデコピンを喰らわす。
「痛ってー!」
「それ位やられて当然だろうが……お前が言いたい事が分かったからな。 それに今日の和也はそんな事を言える立場じゃあねぇだろうが……」
「あー! 分かった! 分かった! ゴメン……ゴメン……俺が悪かったです」
未だに望に打たれた所が痛いのか額を押さえながら言う和也。
「本当に望さんからしてみたら、雄介さんっていう人は大切な人なんですね」
「まぁな……」
そう望は裕実の言葉には素直の答えるのだ。
「チェッ! 俺だけ仲間外れかよー!」
和也はご飯を口にしながらぼそぼそと独り言を言ってるらしいのだが、あまりにも小さかったからなのか望達にはどうやら聞こえていなかったようだ。
「なぁー、和也。 そう言えばさ、本当に新城と本宮君の件については大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫に決まってんだろー! 実際、昨日、二人は夕飯に行ってるんだからさぁ。 もしかしたら、その後はホテルなんかに行ってたりしてなぁ」
和也はそうニヤケながら話すのだが、どうやら望の方は納得してないような表情をしていた。
「ちょっと考えてみろよ……? 和也は新城の事をあまり好きじゃねぇのに……和也は一昨日から新城と一緒の仕事を始めたんだよな? ってか、そこを新城が変に思わない訳がねぇんじゃねぇのか? それで、新城はいきなり本宮君と一緒に食事に行ったりしてさ……なんか二人の展開が逆に早すぎないかな? って思ってよ。 例えば和也があの二人に何かしたって言うんだったら急展開っていうのはおかしくはないんだろうけど、俺は和也からそんな事を一切聞いてないんだから……急展開過ぎねぇかなー? って思ったんだけどさ」
その望の推測に和也はやっと気付いたのであろうか。
「あー! 確かに望の言う通りかもしんねぇ!」
さっきまでの和也は何処に行ってしまったのであろうか。 今度は顔を青ざめてしまい、いつも以上に落ち込んでしまっているようにも思える。
「……って事は、やっぱり!? 和也はアイツ等には何もしてないって事なのか!?」
「そうなんだよなぁ。 実は何もしてないのに、あの二人は急展開してんだよなぁ。 確かに初めは嬉しかったんだけど、望のその話を聞くと新城が俺の行動に何か気が付いてるのかもしれねぇなぁ」
和也はそう言うとため息を漏らす。
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