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ー過去ー113

「ええって……今は一分でも一秒でもお前の側に居たいしな。 休みん時にはとことん楽しませてもらうし……それで、俺は十分なんやって」  雄介はそう言うと望の体を抱き締める。 「お前っていう奴は本当に優し過ぎ。 確かに和也も優しいんだけどさ、お前の場合には和也より優しいんだよ」 「ええねんって……望にそう言ってもらえるんやったら、いっぱい優しくするしな。 もう! 俺的には望だけおったら十分やしな」  望はその雄介の言葉に安心したかのようなため息を吐くと、 「そっか……。 まぁ、いいや……そろそろ寝ようぜ。 疲れちまってるからさ」 「せやな!」  雄介は体を起こすとベッドへと寝直し。 「ほな、おやすみ」 「ああ、おやすみ」 二人は目を瞑ると、そのまま夢の中へと落ちて行く。  そして次の朝。 いつもの如く望がアラームで起きた時には隣りに雄介の姿はなく、ベッドの上に半身だけを起こすといい匂いが階下から漂ってきているようだ。  望は直ぐにシャツとズボンだけ着替えると階下へと降りて行く。 「雄介……何でいつもこんなに早いんだ? 確かアラームは同じ時刻にかけてるよな?」 「んー、なんやろ? 寝てるには寝てんねんけど……アラームより三十分前位に目が覚めてもうて一度目が覚めると二度寝出来へんしなぁ。 せやから、そのまま起きてご飯作ってんのや」 「そうだったのかぁ」 「まぁ、そういう事なんやって。 三十分前やったら二度寝してもしゃーないし……そのまま起きた方がええって思うてな」 「確かにそうなんだけどよ。 でも、俺はギリギリの起きちまうんだよな」 「それはそれでええんと違う? そこは人それぞれなんやしなぁ」 「確かにな」  雄介は間を開けると、 「ほい! 飯出来たでー! これ食べて……今日も頑張ろうや!」 「そだな」  二人は、ご飯を食べ終えると雄介の方は先に家を出て行く。  二人にとっては長い一日の始まりだ。  いつものように病院の駐車場に到着する望。  フッと和也が止めている駐車場へと視線を向けると、そこにはもう和也の車が止まっていた。 「もう、和也来てたんだな。 和也が早く来てるなんて珍しいよなぁ」  そう何気無しに呟く望。

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