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ー過去ー119

「それは流石に望さんには失礼でしょう!」  そう頰を膨らませて怒る裕実。  だが裕実の考えとは裏腹に望の方は、笑顔になると、 「ああ、それは別に構わねぇよ。 だって、和也には昨日の詫びもあるしな」  その望の言葉に和也は裕実に向かい、 「な、言ってみるもんだろ?」  和也のその言葉の裕実は呆れたようなため息を漏らす。 「とりあえず、着替えて来るから待っててくれよ……」 「ああ、待ってるから早くしろよー」  望は和也にそう言うと着替える為にロッカールームへと消えて行く。  望は着替えるのが早い。 ただ白衣を脱いでハンガーに掛けロッカーへとしまうと後はスーツの上着とジャケットを羽織るかのだけなのだから。  望はロッカールームから出てくると、望に、 「よし! 行くか! っていいんだけどさぁ、車はどうするんだ? 二台で行くか?」  きっと和也はわざと望にそう聞いたのかもしれない。 ここで望がどう出るか? で今日は望の家に行くかっていうのが決まるのだから。 「そうだなぁ? どうするかぁ? 和也達はやっぱり今日は二人きりで居たいんだよな?」 「まぁ、当然!」 「そっか……。 なら、そこは二台で行くしかねぇよなぁ?」  そう望は少し暗く答える。  当然、和也はその望の様子に気付いていて、 「本当に望はそれでいいんだな?」 「ああ、久しぶりに今日は一人で過ごす事にするよ。 いつも和也達にはお世話になってるしな。 たまにはこう二人きりで過ごしたい時もあんだろうしさぁ」  望にしては素直な言葉に和也は一瞬、目を丸くしたのだが、それが今の望の本音なんだろうという事に気付き和也は微笑むと、 「分かった! 望……ありがとうな。 今日は望の言葉に甘えて二人だけの時間を過ごすよ。 車の方は悪いけど二台で行く。 望は俺の車の後に付いて来てくれればいいしさ。 どうせ、あのいつもの焼肉屋だろ?」 「だってさぁ、そこはウチの病院のスタッフだと安くしてくれるから、いいんだよな。 暫く焼肉って食ってなかったしいいんじゃねぇ?」 「そうだな……。 しかし、どん位その店に行ってなかったんだろ?」 「そうだなぁ? 俺の場合には本当にあんま行ってなかったかもしれねぇな。 俺が雄介と出会う前っていうのはよく和也とは行ってた所なんだけどな……」 「だよなぁ。 しかも、全部望の奢りだったしな」  そんな懐かしい話をしながら、三人は病院の駐車場へと向かい、和也と裕実は和也の車へと乗り、望は望で自分の車へと乗り込むと三人は焼肉屋へと向かうのだ。

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