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ー過去ー136

「あ、それはだな。 気分転換っていうのもあって……ほら、新城先生が告白して来たって、お前はそれを新城先生に聞いたんだろ? それで、俺は断った……それから、俺は新城先生の事を避けてたんだけど、新城先生はある日から俺にはちょっかい出さなくなってきたんだよな……だから、今は試しに新城先生の所に行ってるって感じなのかな?」 「そうだったんだー!」 「ああ、そういう事だ……。 まぁ、これからアイツが俺にちょっかい出すような事が無ければ別に普通に俺は望の所に戻るんだけどな」 「じゃあ、あの……」  二つ目の質問を実琴から和也にしようとしているのだが、どうやら、なかなか実琴からは切り出せないようだ。  和也はそんな実琴に気付き、 「あのさ……まさかとは思うんだけど、お前、今は新城といい感じなんじゃねぇのか?」 「……ゴメン。 そうなんだよ。 まさか、僕が和也以外の人を好きになるとは思ってなかったんだけどね」 「そうか……そういう事な……なら、良かったんじゃねぇの? 新城と今は幸せになれたんだろ?」 「か、和也はそれで本当にいいの!?」  実琴は今まで和也には申し訳ない気持ちでいたのだが、その和也の声に顔を上げ、 「別に俺の方は、その事については気にしてねぇよ」 「それは、やっぱり本宮裕実さんがいるからだよね?」  今までは和也のペースで話が進んでいたのだが、実琴はいきなり確信を突いてくるような問いをしてきた。 そんな実琴の言葉に一瞬は目を丸くはしたものの、観念したかのように、ひと息吐き、 「ああ、悪い……。 そうなんだよな。 だけど、一つだけ言い訳させてくれねぇか? 確かに俺達は大学時代付き合ってた。 だけど大学を卒業してからは、お互い違う病院で働き始めて、あまりにも忙しすぎたのと会う時間さえなかった訳だ。 だから、俺の方はてっきり自然消滅したかと思ってたんだよな。 それにさ、俺だってまだまだ若かったから、そろそろ出会いも欲しいとか、やっぱ、人を抱きたいとか愛したいって気持ちになっちまってたんだよ。 だからさ、お前より先に春坂病院で働き始めた本宮裕実の方に告白しちまってたんだよな。 ま、その前には望にも告白してたんだけどよ。 まぁ、望には断れちまったけどな。 ま、俺の方はそういう事だったんだよ。 だから、お前がこの前、病院に来て、それで、俺の事を忘れてなかったって事に本気で焦ったんだからな。 それに、お前は未だに俺の事が好きだって言ってたしよ。 だからさ、俺の方は実琴に悪いと思って、本当に新城とお前を恋人同士にさせる為に俺がわざわざあの嫌いな新城の所に行った訳なんだけど、俺が入らなくてもさ、お前は新城とくっついてたって訳だ」

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