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ー過去ー145
とその時、再びチャイムが部屋内へと響き渡る。
今頃、誰かが望の家に訪れて来るなんて事は滅多な事ではない。 いや今日は望の誕生日なのだから、歩夢や裕二が来たのかもしれないのだが。
再び望はソファから腰を上げると玄関へと向かう。
望は警戒しながら、ゆっくりとドアを開けると、そこには望が予想だにしない人物が立っていた。
「……へ? え!? ……ゆ、雄介!?」
「あ、ああ……ゴメンな……遅くなってもうて……。 コレ買うてたら、めっちゃ遅くなってもうたんやって」
そう言う雄介の腕にはいっぱいの薔薇があった。
「コレを持ってたら、玄関の鍵もドアも開けられなくてな。 せやから、望には悪いと思うたんやけど、チャイム鳴らさせてもうたって訳や。 とりあえず、望! 誕生日おめでとうさん!」
そう満面な笑顔で言う雄介だったのだが、どうやら望の様子がおかしいようにも思える。
急に目に涙を溜め、雄介の事をジッと見つめていたのだから。
始めは雄介が望に対し、サプライズ的な事をしてくれて涙を溜めているのかと思っていたようなのだが、どうやら違うようだ。 顔が笑っていないのだから。
その望の様子に雄介は頭の中にハテナマークを浮かべているようで、首を傾げながら望の事を見つめる。
「……雄介……本当に雄介なんだよな?」
やっと望が口を開いたかと思うと、雄介にとっては不思議な質問をしてくる望に更に首を傾げてしまっている。
だが考えていると、何で望がそんな質問をしてきたのかが分かって来たのか、
「望……本物の俺やって……。 とりあえず、説明の方は中に入ってからするしな」
雄介は薔薇を持って玄関から上がって来ると、望の背中を押しリビングへと向かうのだ。
するとリビングには雄介からしてみたら予想だにしない人物がいたようで、
「何で、お前等がココに居るん!? 今日は望と二人きりで過ごす大事な日やのにー!」
「あのな……雄介……俺達がどれだけ心配してたのか? っていうのが分かってねぇだろ?」
和也は立ち上がると、真剣な表情をしながら雄介の方へと迫り雄介の顔を見上げる。
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