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ー過去ー185

「とりあえず、前に俺達が疑問に思ってた実琴と裕実は正真正銘の兄弟なんだってさ。 裕実は最初、本当に実琴っていう兄弟がいる事は知らなかったんだって……だけど、ある時、アルバムを見た時があったんだってさ、で、その時に裕実が知らない子がそのアルバムに載っていて裕実は親に聞いてみたらしいんだ。 『この子誰?』ってな。 そしたら、お母さんが『この子は裕実のお兄ちゃんで今はこの家にはいなくて施設に行ってる』って答えたらしいんだよ。 そん時は何で実琴が施設に居るのか? っていうのは聞かなかったらしんだけどな。 後々、裕実は何で施設に行ったのか? っていうのは自分で気付いたらしいぜ。 それから、小学校に上がった位から裕実は父親に虐待を受け始めたんだってよ。 虐待って言っても無理矢理っていうのか……調教を受けていたんだってさ。 だから、裕実は今も男の人じゃないとダメなんだって……。 だから、女性の事を抱くなんて事一回も考えた事がなかったらしいんだよな。 これで、裕実の過去の事が分かっただろ?」 「なるほどなぁ。 そりゃあ、確かに信用出来る人じゃないと口にする事が出来ないような内容だよな?」  望は和也から裕実の過去の事を聞き納得すると、今度は裕実の方へと視線を向け、 「裕実……俺達の方はそんな事で、引いたり、友達を辞めたりはしねぇよ。 逆に嬉しいっていうのかな? お前の過去の話を聞けてさ……。 それに、今まで心の奥にずっと仕舞い続けていた事だろ? 一番お前が苦しかった事なんじゃねぇのか? それについて言える和也が居て良かったんじゃねぇのか? 逆に恋人同士でその事について話して離れたりするもんじゃねぇって思うんだよな。 もし、その事について話して離れていっちまう奴なんか本当の友達でもねぇし、恋人でもないと思うんだよな。 相手の事を分かった上で本当の友達とかって言えるんじゃねぇのかな? 上辺だけの友達なら、寧ろ、自分から切っちまえよ。 その方がスッキリすると思うからな」 「はい! ありがとうございます。 でも、まさか、望さんや和也がここまで心が広い人だとは思いませんでしたよ。 本当に僕……この病院で働けるようになって良かったと思ってますからね」 「それは、自分自身で努力して看護師になったんだろ? だから、そこは自信持っていいんじゃねぇのかな?」 「ありがとうございます!」  裕実は笑顔で望の事見上げると、今度は和也の方に顔を向けて和也の腕に自分の腕を絡め、 「和也も本当にありがとうございます。 本当に今の僕は……幸せですからね」 「これからもずっと俺は裕実の事を幸せにしていくつもりだからよ」

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