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ー天使ー15
その和也の言葉に望は再び溜め息を漏らすと、
「ああ……そうだよ。 今、琉斗を連れて帰って来た時に親父と会ったんだ。 そん時に訳の分からねぇ親父の言葉にイラってしただけさ。 あの親父、琉斗の姿を見て、俺と雄介の子供か? って聞いて来たんだぜー。 って、どう考えても俺と雄介の子供の訳がねぇだろー。 ……ったく、怒りを通り越して、呆れたって……」
その望の言葉に和也は思わず笑いそうになったのだが、そんなとこで笑いでもしたら余計に望のことを怒らせてしまうと咄嗟に判断し、笑いをこらえるのだ。
「なるほどなぁ、確かに、望と雄介の間には子供は出来ないよなぁ、そりゃ、当たり前だよな……」
「ホントだぜ……まったく……」
今日、望は何度溜め息を漏らしたか分からないが再び溜め息を漏らすのだ。
「ま、いいやぁ、これで、イライラは多少取れたか?」
和也の質問に望は答えずに午後からの仕事の準備を始める望。
だが和也は望のそんな様子に逆に気付いていたようだ。
そう一瞬ではあったのだが、望が席を立つ時に軽く微笑んでいたことに。
確かに望は素直ではないが、ほんの一瞬だけ表情を見せるようになってきたように思える。
普通の人では分からない僅かな変化に和也は長年望と付き合って来て気付いたことだ。
望が席を立つと和也も望の後に着いて仕事へと向かう。
そんなことがこの二人にとって当たり前のことなのだから。
それから二人は仕事を終えると、
「琉斗を迎えに行かないとな」
望は独り言を漏らすと今度は和也の方へと体を向け、
「お前はどうすんだ? 先に駐車場で待ってるのか? 俺と一緒に琉斗を迎えに行くのか?」
「望と一緒に迎えに行くに決まってんだろー。 ホント、望って子供のこと分かってねぇよなぁ。 じゃあさぁ、俺が望でも俺の車でもいいけど、そこで琉斗と望のことを待ってるとしよう。 知らない人が車に乗ってたらビックリするだろ? なら、望と一緒に行って、望に紹介してもらった方が子供は警戒しないんだよ」
「そういうもんなのか」
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