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ー天使ー16
「そうなんだよ。 ま、いいや……とりあえずさ、その琉斗って子、迎えに行こうぜ」
「ああ、そうだな」
望はその和也の言葉で席を立ったのだが、
「あのさぁ、お前、裕実は大丈夫なのか?」
「ん? 裕実は大丈夫だよ。 今さっき、アイツにメールを送っておいたからさ、もう、俺達の部屋の前で待ってんじゃね?」
「そっか……」
望はそう答えると、和也と一緒に部屋を出て行く。
すると和也が言っていた通りに部屋の前には裕実が立っていて、和也は笑顔で裕実に声を掛けたかと思った直後に裕実の唇へとキスを落とす。
だが流石の裕実はいい顔もせず頬を膨らませ和也のことを見上げるのだ。
「か、和也! 離して下さいよ! 嫌です!」
そう言いながら裕実は和也の胸を押し返す。
「……って、なんだよ。 いいじゃねぇかぁ、俺達は恋人同士なんだからよー。 こういうことしたってさ……」
「もう! 和也はやっていい場所とやっちゃいけない場所とわきまえないから嫌だって言ってるんですよ! これが、和也の家なら、僕はこんなにも嫌がりませんよー。 だけど、今は家じゃないんですからね。 ここは仕事場なんですから、場所を考えて下さい! って、僕は言いたいんです!」
そう分かり易いように和也は裕実に言われ和也にしては珍しく暗い口調で、
「分かったよ」
そう返すと和也は裕実から離れてしまうのだ。
その和也に対し裕実は呆れたような安心したような溜め息を漏らすと望の方へと顔を向け、
「さっき、話は全部、和也に聞きましたよ。 琉斗君の事は僕達に任せて下さいね」
「あ、ああ……ありがとうな」
そう望は裕実に向かい素直に言うのだ。
その間も和也は肩を落としていた。 そう和也は裕実にあんなことを言われどうやらしょげているようだ。
望がドアの鍵を閉めても和也は頭を俯けてしまっていたのだから。
その和也の光景に裕実と望は目と目を合わせ軽く微笑む。
だが望は和也の頭を軽く叩くと、
「ほら、琉斗のこと迎えに行くぞ!」
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