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ー天使ー31
それからタイミングを見計らったように和也達も車へと乗り込んで来たのだが、琉斗は未だに望のことを見上げている姿が目に入ってくる。
「和也ー、これは、どういうことだ?」
望は呆れたように和也に向かいそう言う。 そう望からしてみたら琉斗が急に望にべったりになった理由を聞いているようだ。
「まぁまぁ、いいからー、いいから。 って、よく分かったなぁ、俺が琉斗に何かをしたってことがー」
「こういうこと出来るのは和也しかいないだろー」
そう望は言ったのだが、その望の言葉に反応したのは裕実だ。
「心外だなぁ。 何で、僕じゃなく、和也がそう言ったんじゃないかって、望さんは言い切れるのかなぁ? って思ったんですけどー!」
そんな風に言う裕実は笑顔で、どうやら、ふざけて言っているようだ。
「……へ? って事は、まさか、裕実が琉斗と俺との仲を良くしてくれたのか?」
「……んな訳ねぇだろー。 俺が琉斗に言ったんだよ」
「だよな……」
望は納得いったのだが、どうやら裕実は納得いってないようだ。
「でも、ヒントを与えたのは僕ですからねぇ」
「まぁ、確かに、そこはな……」
和也は望の方に話を向けると、
「まぁ、裕実がいなきゃ、二人を仲良くするきっかけはなかったのは確かだぜ。 だから、裕実のおかげでもあるのは確かだからな……だから、一番今回のことについて貢献出来たのは裕実だと思うぜ……」
「そっか……。 裕実、ありがとうな」
裕実はいきなり思ってもないことを望に言われ、
「と、とんでもないですよ。 気にしないで下さいね」
「ああ……おう……」
どうやら二人の間ではこんな話をするのは慣れていないらしく二人共ぎこちなさそうにしている。
そんな二人の間に入って来たのは和也で、
「まったくー、二人してかたいんだよなぁ。 別に友達同士なんだから……」
そう和也は言いかけたのだが、
「でも、『親しい仲にも礼儀あり』って言葉がありますからねー」
「まぁ、裕実の言う通りだな」
和也は二人にそう責められ舌を鳴らすと運転に集中し始める。
そんな和也の姿に望と裕実はクスクスとしていた。
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