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ー天使ー33
「琉斗君が……望さんとお風呂に入りたいって言ってるんですけど……」
「……へ? 琉斗は裕実が入れてくれるんじゃなかったのか?」
「確かに僕は言いましたけど……琉斗君が僕ではなく、望さんと入りたいって言っているんですよ」
いったい和也と裕実は先程、望と琉斗の仲が悪くなった時に二人は琉斗に何を吹き込んだのであろうか。 望はまだそのことを知らないのだ。 そのことを琉斗がお風呂に入っている時にでも和也か裕実に聞こうと思ったのだが、どうやら和也達に聞いている暇はないようだ。
望が悩んでいると琉斗が望の傍へと近寄って来て望の腕を掴むと、
「望兄ちゃんと一緒にお風呂に入りたい!」
そう甘えたような瞳で望のことを見上げている琉斗。
「そんなことを言われたら、そりゃー、望が琉斗のことをお風呂に入れて上げないとだよなぁ」
和也は茶化すように言うのだが、望はオーラだけで和也のことを睨んでいるようだ。
流石の和也もその望の怖いオーラに言葉を失ってしまい和也にしては珍しく大人しくしている。
しかし雄介がいない時に限ってこうハプニングが起こるのであろうか。 雄介が居ればきっとこんなことはなかったのであろう。
望は困ったような顔をしながら琉斗のことを見ていたが子供である琉斗はその望の表情には気付かず首を傾げているだけだ。
「……琉斗はやっぱり、お風呂に入るのは俺とじゃないと入らないのか?」
「うん! だって、僕が一番好きなのは望兄ちゃんだから! だから、望兄ちゃんとじゃないとお風呂に入らない!」
そう言い切ってしまう琉斗に益々望は困った表情を見せる。
「裕実兄ちゃんもいい人だよ……」
「うん! でも、僕は望兄ちゃんがいいの!」
「じゃあさぁ、さっきまで俺のこと嫌いって言っていたのに……何で、急に俺のことを『好き』になったんだ?」
和也達に聞かなくてもどうやら流れ的に琉斗が望のことを好きになった理由が聞けそうだ。
「あのねー。 さっき、和也兄ちゃん達から聞いたんだけど……お母さんのことを治してくれるのは望兄ちゃんしかいないってことを聞いたからだよ!」
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