1497 / 2160
ー天使ー44
雄介の傍に向かうか、このまま一階で大人しく雄介が起きて来るのかを待っているかである。
望はフッと時計を見上げると時刻はお昼を回っていた。
そんなことを考えているうちに時間は過ぎて行ってしまう。
今日は和也にせっかく二人だけの時間をくれたのだから時間を無駄にする訳にはいかない。
望はゆっくりと二階にある自分達の部屋へと向かう。
久しぶりに雄介と二人だけの時、望の胸はいつも以上に心拍数が跳ね上がっているようだ。
雄介と会った時のように望の鼓動が高まってしまっているのであろう。
自分の部屋なのにも関わらず望はドアを開けるのに戸惑っている位なのだから。
と、そんな時、きっと雄介が琉斗を迎えに行く為に目覚まし時計をセットしていたのであろうかアラームの音が部屋内に響き渡り、その音に望は体をビクリとさせる。
次の瞬間、望はフッと見上げると望の前には雄介の姿があった。
「望……こんなとこで何してるん? 仕事やなかったんか?」
その雄介の言葉に望は未だに体を硬直させたままでいるようだ。
「望……? 大丈夫か?」
そう望は雄介に顔を覗かれビックリして体を動かすことは出来たのだが、余りの驚きに望の後ろにあった壁へと寄りかかる状態になってしまっていた。
「そないに驚かなくてもええやろ? 望……俺やって……」
「あ、おう……そうだったな」
やっと望は声を出し目の前にいる雄介の顔を見上げる。
さっきまで驚いたままでいた望だったのだが、目の前にいるのが雄介だということに気が付くと体から力を抜き愛おしそうな表情で雄介の顔を見つめるのだ。
「どうしたん? そんな目で俺んこと見つめて……」
そう優しい笑顔に吸い込まれるように望は無意識だったのであろうか、体が勝手に動いたのであろうか、望はいつの間にか雄介の大きな体を両手いっぱいに広げ抱きしめていた。
すると雄介からは雄介の匂いがしてくる。
そうどこか懐かしい匂いに望の中で安心感が生まれているようだ。
「雄介……」
「ん?」
ともだちにシェアしよう!

