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ー天使ー45
雄介の甘く低い声とその優しい笑顔に望は雄介の事を愛おしそうに見つめる。
「何?」
雄介は望の頭を優しく撫でるのだ。
雄介の問いに対し望は雄介のことを無言で見上げるだけであった。 だが望は目で雄介に何かを訴える。
そんな望の様子に気付いた雄介は望の体を優しく強く抱きしめるのだ。
二人の今の気持ちは一緒だったのであろう。 望はその雄介の大きな体に大人しく包まれていた。
「望……もう、俺……我慢しきれん……」
そんな言葉を望の耳傍で囁くと雄介は望が一番弱い耳を舐め始める。
不意打ちな雄介の行動に抵抗している暇がなかった望は雄介のいきなりな行動に体をピクリとさせ甘い声を漏らすのだ。
「やっぱ……琉斗のこと預からなかった方が良かったわぁ。 望のことこうしている暇がなくなってもうたんやもん。 確かに、俺は琉斗が来てから琉斗に付きっきりやったと思うねんけど。 やっぱり、一番に考えたいんは望のことやで……この前、望のこと構えんなくてスマン! いや、俺が一番に望との時間を大事にしたかったんや。 本音を言うと、もう、我慢出来へん……俺はゆっくりと望と一緒の時を過ごしたいんやって、一分でも一秒でも長く望と一緒に居りたい! 琉斗が家に来て余計に望とのいる時間を大事にしたいって思ったんや」
雄介は望から離れると、
「あ、スマンな。 もう、我慢しきれなくなって、暴走してまったみたいやわぁ、こんな俺が嫌になったんなら、離れて行ってもええし」
望はその雄介の言葉に一つ溜め息を吐くと、
「良かった。 雄介は俺のことちゃんと未だに好きだってことが分かってさ。 情けねぇけど俺、琉斗のことを可愛がるお前を見て、嫉妬しちまってたんだ。 分かってるよ……琉斗はまだ小さいから自分じゃ何も出来ないってことはさ。 だけど、俺も雄介のことが好きだから、雄介を琉斗に取られている気がして……な」
そんなことを言う望はやはり照れくさいのか、雄介から視線を反らし頬を掻きながら言葉を放つのだ。 琉斗がいたからこそもっと恋人の存在というのが分かってきたというのもあるのかもしれないのだが、琉斗がいるようになって琉斗の世話でいっぱいになってしまい、お互いの距離が出来てしまった事でいつも以上に恋人の存在が愛おしくなってしまったのかもしれない。
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