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ー天使ー50

「なら、いいや……」  望は横になると、雄介とは反対側を向いてしまう。 「ほんならさぁ、今から受験勉強とかせなアカンと違ゃうの?」  雄介からの問いに、望は雄介の方へと顔を向ける。 「ま、確かに、そうなんだよな」 「後……金とかって、どん位掛かるん?」 「それは大丈夫!! 俺が何とか親父に頼んでみるからさ」 「ちょ、待って! そ、そんなこと望の親父さんに頼める訳ないやんか!?」 「気にすんなよ。 お前が頑張って医者か看護師になってくれれば、後で親父に返せるだろ?」 「あ、まぁ……そうねんけどな。 と、とりあえず……そこんところは大丈夫やろ? 今まで仕事で稼いできた金あるし、貯金、むっちゃ貯まってるしな」  そう笑顔で言う雄介だが、望は雄介の顔を真剣に見上げ、 「お前の貯金でどうにかなる問題じゃないと思うぞ。 半端なく金が掛かるんだからな」 「ほんなら、俺やって働きながら金稼ぐし」 「俺的には雄介は働かないで勉強に集中してもらいたいんだけどな。 確かにお前には体力があるかもしれねぇが、頭の方は大丈夫なのか?」  雄介は望からの鋭い質問に眉間に皺を寄せ、 「望ー、そこは突っ込まないで欲しいわぁ。 んー、そこは、まぁ、まぁー、頭はそこそこやと思うねんけど……な?」  そう言いながら雄介の視線というのは、天井の方を向いてしまっていた。 「ほら、やっぱり! 頭の方は自信ないじゃねぇかよー」 「まぁ、そうねんけどっ」 「ならさ、今から、お前の能力調べてやるよ。 それに来年の春には学校に行ってもらわないと困るしな」 「調べるのはええねんけどな。 来年の春って、直ぐやんか、何で、来年の春やないとダメなん?」 「来年の春じゃないと、お前と歩夢が同じ年に学校に行くことになって、同じ年に卒業になるじゃねぇか、やっぱり、それだけは避けたいからよ」 「何? それって、俺は医者になることに前提なん?」 「……へ? まだ、看護師か医者か決めてなかったのかよー。 俺はてっきり雄介は医者になるんだと思ってたぜ。 だってさぁ、俺が経営するかもしれない病院は後一枠だけ医者のスペースが空いてんだからさ」 「あー、んー……望はどっちに俺が向いてんやと思う? やっぱ、医者か?」  また優柔不断な雄介の言葉に望は溜め息を漏らすのだ。

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