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ー天使ー51

「もう、いいよ! やっぱり、お前は医者にも看護師にも向いてねぇ! さっきも言っただろ! ちゃんと自分の意志で決めてねぇんなら、やめてくれ! ってさぁ」  望はそう呆れたような声で言うと、ベッドへと顔を埋めるのだ。 「まぁ、そうなんやけどな。 確かに、俺は優柔不断な性格やって……それに、今は望が『医者か看護師にならないか?』って言うて来たのは望やんかぁ。 ちょっと前までの俺やったら、もしかしたら、自分の意志で決められていたかもしれへんが、今回は望から言って来たことで、それで、いきなり、どちらかになれ! ってのは難しくないか?」 「……って、今、なんて言った!?」  望はもう一度、ベッドの上へと座ると雄介の方へと向き直す。 「今さぁ、『ちょっと前なら決められた』って言ったよな? なら、ちょっと前には決められて、今なら決められないって、どういうことだ? それじゃ、おかしくねぇか? 『ちょっと前』と『今』では……どう差があるんだよ。 そういう風に言えんなら、もう、意志ではちゃんと決めていた。 ってことになるよな?」  雄介は望にそこまで突っ込まれるとは思ってなかったのであろう。 雄介は諦めたように溜め息を吐くと、 「せやな……今のは完全に俺の言い訳やんな。 やっぱ、望にそこまで言われてもうたら、やる気なくなってくるわぁ。 俺にはその仕事は向いてないってことやな」  雄介はそう言うと反対側を向いてしまう。  そんな雄介に望はもう一度、溜め息を漏らし、 「もういい! 後一人医者を入れなきゃいけない件については歩夢でも入れることにするからな! 歩夢は既に医者になろうっていう意志はあるからな! このことについては歩夢の方がしっかりしてるよな!」  望は怒ったように言うとベッドから降りようとしていたのだが、 「望……ちょっと待った!」  雄介は望の腕を掴むと、真剣な瞳で望の顔を見上げる。 「それはそれやろ? 今、俺達の関係には関係ないことやんか……望がここからいなくなる理由が分からへんわぁ」 「関係ないことはないだろうがぁ」 「せやったら、どう、関係するんやって……」  どうやら雄介からのその質問に望は悩んでしまっていた。

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