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ー天使ー53
望が家を出て、三十分後。 望は和也が住むマンションの駐車場へと到着していた。
望はまだ和也に連絡をしていない。
今時間だととっくに和也は琉斗のことを迎えに行って帰って来てる頃であろう。
望は駐車場から和也の家に向かうエレベーターの中から和也へと電話をする。
何回かのコール音の後に和也は電話に出るのだ。
「悪ぃ……和也、今日、泊めてくれねぇか?」
そう暗い声で言う望に対し和也はその声のトーンだけで何かに気付いたのであろう。
『さては、雄介と喧嘩したな』
一発で気付かれ、その和也の一言に直ぐに頭にきてしまったらしい。
そこで望は溜め息を漏らし、
「もういい!」
そう望は和也に怒鳴りつけるかのように言うと、電話を切ってしまう。 しかし和也からしてみたらいきなり望にキレられる意味が分からない。
望は和也の家に行きかけていた足を止め、もう一度、自分の車まで戻ろうとした直後、いきなり望は誰かに肩を掴まれたようで、そっちの方に視線を向けると、そこに居たのはさっきから電話をしている和也だった。
「ちょっと、待てよ! 望。 人に電話しといて、一方的に切るって意味が分からねぇんだけど? とりあえず、お前が俺に電話してきたってことはお前は俺に助けを求めてきたって訳だろ?」
肩を掴まれたそうそう和也に図星なことを言われ、望はその場で固まってしまう。
「言い返せないってことはそういうことなんだろ? とりあえず、琉斗は部屋で待たせてるから、俺ん家に来いよ……それから、話を聞くからよ」
望は和也に無言で肩を押され和也の家へと向かうのだ。
部屋へと着くと望は疑問に思っていることを口にし始める。
「ところでさ、お前、何で俺がお前のマンションの駐車場に居るって分かったんだ?」
「そんなの簡単だよ。 お前の声が響いて聞こえたからさ。 声が響いて聞こえて来る場所ってのは限られてるだろ? お風呂とか地下駐車場とか。 望がお風呂から俺に電話して来る訳が無いって思ったからな。 なら、地下駐車場。 地下駐車場があるのは俺が住んでるマンションしかないからな。 だから、お前が電話してきた後に駐車場に向かったら、案の定、お前が居たって訳さ」
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