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ー天使ー54
「そっか……そんなに深く考えなくても答えは簡単なことだったって訳か」
「……で、雄介とお前の間で何があったんだ?」
「ちょっと、待て……。 それを話すのは後にしてくれねぇか? やっぱ、琉斗の前でその話、出来る訳ねぇからな」
「まぁ、確かにそうだけどな」
望が和也の部屋に入って琉斗は望のことを見つけると、嬉しそうに望の足を抱き締める。
「望兄ちゃん! ママの様子はどうなの?」
「ママの様子?」
いきなり琉斗にそんなことを振られ望は困ったように頬を掻いていた。
そう今日、望は確かに病院に行ったのだが、琉斗のお母さんには会っていない。 だからなのか琉斗のお母さんの様子等、直ぐに答えられる訳がなかった。
「あ、ゴメンな……琉斗。 今日は俺は休みで琉斗のお母さんには会ってないんだよ」
結局、琉斗に本当のことを伝える望。
「そうなんだ。 でも、大丈夫なんだよね?」
「ああ、俺がいない時は他の先生が琉斗のお母さんのことを診てくれているからな。 大丈夫だよ。 もし、琉斗のお母さんになんかあった時には俺の携帯に病院から電話が掛かって来るだろうしな。 だから、今は大丈夫。 今度、雄介おじちゃんが休みの日にでもお見舞いに来たらいいと思うよ」
「うん! 分かった! そうするね!」
だが望は自分でそんなことを言っていて辺りを見回しながら眉間に皺を寄せていた。 和也はそんな様子の望に気付き、更に確信を持ったようにも思える。 そう雄介と望の間で本当に何かがあったという事をだ。
それから和也は夕食を作り琉斗が寝静まった頃には裕実も和也の家へに来て話を始める。
「……で、望……さっきの話はどういうことなんだよ。 雄介と喧嘩したんだろ?」
「ま、確かに……和也の言う通りなんだけどさ、何処から話をしたらいいんだろ?」
きっと今の状況では和也達から逃げられないと思ったのであろう。 望にしては珍しく話を始めようとしているらしい。
「最初っから話せよ……じゃねぇと、こっちが話見えて来ないからさぁ」
「分かったよ……今日、あったことを全部話すな」
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