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ー天使ー84
とその時、今まで動いていた観覧車ではあったのだが、大きな音と共に何故か止まってしまった。
いったい何が起きたのであろうか。
「何!?」
その言葉と同時に和也は立ち上がると、今何が起きたのか把握する為に雄介も和也とほぼ同時に立ち上がり辺りを見渡し始めるのだ。
「観覧車が止まってもうたみたいやな」
「そうみたいだな」
そう二人は冷静に判断をし望達が乗っている次のゴンドラを見るのだ。
確か望達は雄介達が乗る次のゴンドラに乗っている。
雄介達が乗っているゴンドラは既に頂上近くで、当然、雄介達の次に乗って来た望達は雄介の直ぐ後ろにゴンドラだ。
だが安全の為、簡単には窓が開かない仕組みになっているドアや窓からでは下にいる望達の様子が見る事が出来ない。
どんなに窓ガラスに顔を押し当ててみても、どんなに角度を変えて見てみても雄介達が乗るゴンドラからは望達が乗るゴンドラの様子を見る事は出来なかった。
和也はあることに気付くと、
「何で、早くに携帯で裕実達に連絡することを忘れてたんだろ?」
そう和也は独り言を漏らし、いつも使い慣れている携帯でリダイヤル機能で裕実の名前を見つけ和也は直ぐに裕実へと連絡を入れる。
数回コールした後、裕実は和也からの電話に出るのだ。
「裕実! 大丈夫か?」
「僕は大丈夫ですよ!」
その裕実の言葉に和也はある疑問を抱く。
確かに和也は電話に出た裕実に心配して『大丈夫か?』とは聞いたのだが、その答えに裕実は『僕は』と答えていた。
一緒に乗っている望もいるのだから、『僕達は』と答えるべきところではないではないだろうか。
「ん? ちょっと待てよ? 確かに俺は裕実に『大丈夫か?』って聞いたけどよ。 『僕は』って、どういうことだ? まさか、望に何かあったのか?」
「あ、はい……まぁ……そういうことなんですよ」
その裕実からの言葉に和也は思考回路が停止状態になりそうな様子で固まっている。
だが、とりあえず裕実から今、望がどういう状況なのか聞くのが先であろう。
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