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ー天使ー87

 一回ではプラスチック製で出来た窓は割れず、雄介は何度も力を込めた拳を窓に打ち込んでいると、やっとのことで窓は割れ、そこに一先ず安堵する雄介。 雄介が階下を覗き込むと下には消防車や救急車が来ていた。  どうやら観覧車は遊園地側でどうにか動かすという状況ではなくなってしまったらしい。 だからもう救助車で乗客を下ろすしかなくなったのであろう。  雄介は望達が居る観覧車の上には行けたものの足場が無いこの状況では窓を割ることも出来ずにいる。 「ロープがあったんなら、足使って割れたんやけどな」  何も考えずに降りて来てしまった結果がこれだ。  雄介はしばらくの間、望達が乗っているゴンドラの上に居ると観覧車に備え付けてある非常用階段でレスキュー隊が登って来たらしく、 「お客さん! 危ないですよ! そんな所にいたら」 「分かっとるがな! お前等が来んのが遅いやろが……。 とりあえずな、こん中に要救助者がおんねんって!」 「そうなんですか!? 分かりました……そこは私が担当いたしますので、貴方は先に私達と一緒に降りていただけませんか?」 「アホか! この中に好きな人がおんねんのにさっさと俺だけが降りれ訳がないやろ!?」 「しかしですね……一般の方を助けるのが我々の仕事ですから」 「俺も春坂レスキューのレスキュー隊員やって」 「そう言われましても……今日は非番かなんかの日で、レスキュー隊員ではないんじゃないんでしょうか?」  雄介の勢いに冷静な判断をし声を荒らげる訳でもなく、そのレスキュー隊員は淡々と雄介のことを説得しているようだ。  そんなやりとりを和也は上のゴンドラで聞いていたらしく、 「雄介! とりあえず、お前はレスキュー隊員の言う通りに先に降りろ! そこで言い合っていたって、いつまで経っても望のこと助けられないだけだぞ!」  やっと雄介はその和也の言葉に納得したのか、仕方無しに雄介は自力で非常階段へと向かいゆっくりと階段で地上へと向かうのだ。  と、その時、上空には消防庁のヘリ部隊が来たらしく観覧車上空でホバリングを繰り返していた。  ヘリへと運ばれる要救助者と自力で階段へ行ける要救助者と分けるのであろう。

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