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ー決心ー34
「まだ、アイツは雄介のこと忘れてなかったのかよー」
「みたいだな」
「望の時以上に雄介には本気なんじゃねぇの?」
「……へ? そうなのかなぁ?」
「もしかしたら? かもしれねぇけどな……ま、俺はそう感じているだけだしさ」
和也はソファへと寄りかかると、何か思い出したのか、
「なぁ、まさか、今日、歩夢は雄介んとこに行こうとはしてないだろうな?」
突然、和也からの突拍子も無い問いに望は一瞬、分からなかったようだが、それを理解した直後に望の顔色が変わるのだ。
「あ、歩夢なら、そうするかもしれねぇな。 多分、親父かなんかから聞き出せば、歩夢は当然、俺が家にいない日は知っている訳だし、これとないチャンスは今日だけかもしれねぇしな」
「……だろ?」
それに気付いた望は仕事どころではなくなって来たようだ。 何か一生懸命考えているのか、瞳を宙へと漂わせていた。
「でも、お前が仕事だっていうこと知らないかもしれねぇんだろ?」
「まぁ、そうなんだけど……」
「アイツがもし、本気の本気で、雄介のことが好きであれば、確かに望の仕事までチェックしてくるかもしれねぇが、もし、そうじゃなかった場合、チェックしてない可能性もある訳だからさぁ、大丈夫かもしれねぇぞ」
「ま、確かにそうかもな」
「だから、心配しなくても大丈夫だって! それに、あの雄介だぞ! 望のことラブな雄介のことだぞー、絶対に歩夢のことはねのけるだろ?」
「んー……前のことがあるからなぁ。 雄介の奴、上手く歩夢のことはねのけてくれるかが心配なんだよなぁ? あの歩夢がすっげえ押していきそうだしよ。 だって、和也だって、歩夢には勝てねぇだろ?」
「どうなんだろ? 俺、アイツとあんまり関わったことねぇからなぁ。 でも、俺は誰でも勝てる自信あるからなぁ? それで、裕実のことを守る自信あるしな」
「何言ってんだよ……お前が勝てねぇ奴、一人いるだろ?」
「新城だー!」
「分かってるんだ……」
和也が叫ぶように答えると、同時に小さな声で突っ込む望。
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