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ー信頼ー39
「……へ? あ、まぁ……それならいいんだけどさ」
「ホント、俺って、そういう所、信用がなかったみたいだな。 まぁ、普段が普段だから仕方ねぇんだけどさ」
「それなら、マジ疑ってゴメン……」
望にしては珍しく和也に向かって頭を下げるのだ。
その望の行動に目を丸くする三人。
望は和也に向かって頭を下げる等、今までなかった事なのだから三人は目を丸くしない訳がないだろう。
「……って、あー、とりあえず、気にしなくてもいいからよ。 あ、俺の方も望達に疑われるような行動をしたのも悪いんだしさ。 ま、まぁー、とりあえず、ゆっくり出来る時にはゆっくりしようぜ」
和也はそう言いながら立ち上がり、裕実の手を取ると、『おやすみー』と言い部屋へと向かうのだ。
そして望は雄介の隣りに座りテレビの方へと視線を向けていると、急に雄介が望に声を掛け、
「……って、どないしたん?」
「何がだよ」
「あ、いや……望が和也に謝ってたみたいやし」
確かに雄介はその事を口にしたのだが、やはり聞き辛くなってきたのか言葉を濁らせながら問うのだ。
「いや……やっぱり、ここは俺が悪かったんだから謝らないといけないと思ったから謝っただけだよ」
「あー、確かにそうなのかもしれへんけど、望って、特にプライベートじゃ、あんま謝るって事しないやんか……せやから、何でかなぁ? って思うてな」
望からしてみたら、きっと地雷のような話に雄介もこう視線を宙へと浮かばせながら、こう言葉も慎重に選びながら言うのだ。
「まぁ、確かに和也に対して謝るって事は少ないんだけどさ、やっぱり、今はみんなと住んでるから喧嘩とかっていうのはあんましたくないじゃんか……だから、謝っただけなんだけどな」
「あ、まぁ……確かに、そうやんな」
それでも雄介からしてみたら、今さっきの望の行動というのは違和感があるようだ。
「ん? 俺が謝ったらいけねぇのか?」
「あ、いや、そういう訳でもないんやけど……」
「何だよ……まだ、何か言いたげだよな」
「いいや……何でもあらへん。 ほなら、俺等もそろそろ寝よか?」
「そうだな。 和也も言ってたしさ。 それに、ゆっくり出来る時にゆっくりしておいた方がいいと思うしなぁ」
「まぁ、後どれ位ゆっくり出来るのか? っていうのは分からへんけどな」
「確かにそうだよなぁ。 今は島の人達に俺達の存在っていうのは認めてもらえてはいねぇけど、認めてもらった時には、もう四六時中診療所にいないといけない時が来るんだろうしさ」
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