1986 / 2160

ー信頼ー38

「……へ? それって、どういう事だ?」  望は裕実に視線を合わせると裕実の視線と合い、裕実は直ぐに望に向かい笑顔を向けるものだが、直ぐに呆れたような表情をすると、 「和也は何にお金を使ってるのか? っていうのは分かりませんが、給料日一週間前になるといつもお金がピンチって言ってますよ。 だから、和也の場合には本当に『今を生きる』って事を実行しているみたいですよね。 いいような悪いような所っていうのはそこですかね」  その裕実の言葉に望は吹きそうになるのだが、そこにとりあえず耐え、 「まぁ、確かにそこはアイツらしいのかもな。 でも、『今を生きる』って事をちゃんと実行している証拠っていう意味にもなるよなぁ?」 「そうですよね。 和也っていつもあんな感じですが、根の方は真面目なんだっていう事が分かりました」  望は裕実に向かい笑顔を見せると、 「そろそろ出るか? アイツ等の事だから、長湯してたら心配するだろうしさ」 「そうですね。 和也なんかは本当に心配しそうですからね」  二人はお風呂から上がり脱衣所で着替えをしているとドアの前辺りで走る音が聞こえて来る。 「……って、まさか、アイツ等、俺達の会話聞いてたって事なんじゃねぇだろうな?」  今日の望と裕実というのは二人だけの秘密的な内容で雄介と和也には聞かれたくないような内容だったようなもんだから、実の所、あの二人には聞かれたくないような内容だ。 だからなのか、聞かれていたかもしれないと思うだけで望の心の中ではムカついてしまっているのであろう。 望は着替え終えると怒ったような表情で、和也達がいるリビングへと向かい、和也達が座っているソファの後ろで仁王立ちをし、 「お前等なぁ、俺達の会話ずっと聞いてただろ?」 「はぁ!? 聞いてねぇよ。 寧ろ、俺達はずっとここでテレビ見てたんだしよー。 なぁ、雄介」 「せやせや、俺達はずっとここでテレビ見ておったで……」  そう素で答える雄介なのだが、まだ望の方は信じていないのか、目を座らせながら、 「なら、何処から聞いてたんだ?」 「だから、聞いてねぇって……」 「じゃあ、何で、俺達がお風呂から出てきて脱衣所で着替えをしている時に廊下を走る音が聞こえて来たんだけど、それは、どう説明してくれるんだ? それは俺の気のせいだっていう事なのか?」 「つーか、そん時っていうのはきっと俺が丁度トイレに行ってた時なんじゃねぇのかな? トイレってお風呂場の隣りにあんだろ? だからさ、望はそれを聞いて勘違いしたんじゃねぇのかな?」 「……へ?」  その和也の言葉に望は声を裏返す。 「確かに、俺はトイレに行った後にテレビ番組が気になってたから走って部屋に戻って来てたからな」

ともだちにシェアしよう!