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ー信頼ー60

 雄介は蒼空の所に行く前に和也が寝ているベッドの方へと向かうと、 「大丈夫かぁ?」  そう本当に心配そうに和也に声を掛ける雄介。 「あ、まぁ……まだ、頭はボッーとしてるけど、裕実に持ってきて貰った、飴とかジュースとかで糖分摂ってるから直ぐにでも復活出来そうなんだけどな」 「ホンマ、裕実も気が利くんやなぁ」 「まぁな……。 本当、アイツも看護師っていう仕事が転職なのかもしれねぇぞ。 恋人だからって訳じゃあ無さそうだしな。 元から真面目な性格だけど、看護師になって、その真面目が更に発揮されてるって感じなのかな? ってか、裕実もいいけど、ホント、お前も凄いもんだよな。 って、雄介と俺とであんま今まで仕事って一緒にした事がなかったけどさ、雄介も凄いんだよなぁ。 ここ数年で決断力っていうのも付けたっていう感じだしさ。 だって、その事について、良く望と話してなかったか?」  その言葉に雄介はクスリとすると、 「今さっき望にもそんな事を言われたわぁ。 みんなそう言うねんけど……。 俺は和也達が居ったから頑張れたんやで、和也達が居らんかったら、今頃は医者になってなかったと思うしな。 ほら、あん時、みんなにキツく言われてっていうのか、こうダメだって言われると逆に俺は熱くなってまう性格だっていうのか……」 「それで、褒めると謙虚になってしまう性格なんだな」 「それって、普通やんか」 「いや、褒めると伸びるタイプの人間もいるしな。 それは実は俺だったりしてー」 「ぅん……まぁ、とりあえず、輸血してくれてありがとうな。 俺、もう蒼空の様子見に行きたいし」 「ん? 蒼空の方は裕実が見ててくれてると思うぜ。 お前達が診察室を出て行ってからアイツは俺より『蒼空の事を一人にさせるのは可愛そうだから』とか言って、蒼空の方に行ってたからな」 「なーんや、そういう事やったんかぁ」 「まぁ、確かに、今は蒼空の事を一人にさせるより俺の方を一人にさせた方がいいと判断したみてぇだしよ。 それに俺の方は、後、自分で体が血を作ってくれるのを待ってるだけだからさ」 「せやな。 まぁ、とりあえず、和也はもう自分で自分の体の事分かるやろ? 体が動くようになったら、今日は自宅の方でゆっくりしてたらええからな。 後、診療所の方は裕実と俺とでやっとくし、そこんところは臨機応変って事で……」 「分かった……」  そう言うと雄介は蒼空が居る診察室へと向かったようだ。

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