2006 / 2160
ー信頼ー61
雄介が蒼空がいる診察室へと移動したと同時に診察室のドアが開くのだ。
「スイマセン! 星花に蒼空が海で溺れたっていうのを聞きまして、慌てて来たのですが……」
「ああ! 蒼空君のお母様ですね。 初めまして、桜井雄介です」
そう言うと雄介は蒼空のお母さんに向けてお辞儀をするのだ。
「はじめまして。 今日は本当にお世話になったという事を星花から聞きまして、ありがとうございます。 星花に話を聞きまして、今回こちらに来た先生方が蒼空を助けてくれたという事を聞きました。 その他にも最近の子供達の話を聞いていると、診療所の先生ばかりの話でして、桜井先生は元消防士だったとかっていうのを目を輝かせてまで話してくれてたんですよ。 ですが、本当に申し訳ない事に……私達の島というのは、やはり、他所から来た人間を嫌うというのか、警戒してしまう所もあってか、こう診療所の方に近付く事をしなかったという訳なんです。 ですが、今回の事で、きっと、島中には診療所の話が回るかと思いますよ。 こんな小さな島ですから噂が出回ったら多分早いかと思います。 それに、今回の診療所では若くて素敵な先生方がいらっしゃるみたいなのでね」
「ありがとうございます」
そう雄介は再び頭を下げるのだ。
そして裕実の方は笑顔で立ち上がると。
「輸血、終わりました」
「後は蒼空の回復次第っていう事になりますね。 それと、足に怪我を負っているので、しばらくの間、痛むかと思われます。 鎮痛剤を出しておきますね」
そう言うと雄介は隣のベッドで寝ている和也に声を掛ける。
「和也、大丈夫そうか?」
「ああ、まぁな。 一応……俺の方は動けそうだけど……。 もしかして、蒼空の輸血終わったのか?」
「そういう事……。 和也、動けるようだったら、悪いけど薬お願い出来へんか?」
「ああ」
「薬はお前にしか出来へん事やからなぁ」
「まぁな」
和也はゆっくりと半身を起こすと、とりあえず、くらくらしてない所からすると、大分回復したのか薬を取りに向かうのだ。
ともだちにシェアしよう!

