2007 / 2160
ー信頼ー62
暫くして和也は雄介がいる診察室へと戻って来ると、
「こちらが薬になります」
和也は蒼空の母親に向けて薬の説明をすると笑顔で薬を渡すのだ。
「ありがとうございます」
蒼空はベッドから起き上がると、
「もう、俺、大丈夫!」
「そっか……。 まぁ、また、何かあったら、直ぐにここに来てな」
「うん!」
蒼空は雄介に向かい笑顔を見せると、蒼空の母親は蒼空の事を背負い。
「今日は本当にお世話になりました。 また、何かあった時には宜しくお願いしますね」
「はい」
そう言うと蒼空達は診療所を後にする。
雄介は安堵のため息を吐くと。
「ほな、飯にしようか? 昼過ぎてもうたしな」
「そうだな」
気づけば今日はもう十四時を過ぎていた。
普通の病院で仕事をしているなら、ご飯を不規則な時間に食べるのが当たり前なのだから遅くなったとはいえ、食べれるだけでもいいのかもしれない。
雄介がご飯を作っている間、和也と裕実はテーブルで待っていた。
「なるほどなぁ。 蒼空のお母さんが言ってたけど、『信頼』って言うのが、まだ、今の人達と俺達の中でなかったって事になるのか。 確かに本当に知らない人に体を預けるからこそ、信頼関係が無ければダメって事になるのかぁ」
「まぁ、そういうこっちゃな。 島の住人からの信頼っていうのも大事って事も分かったんやけど、俺等の方も信頼し合っていかないとアカンって事やんなぁ」
「ま、そういう事だよな」
雄介は出来上がったご飯をテーブルへと並べていく。
そして午後になると診療所では相変わらずな平和な時を過ごすのだ。
夜になって夕飯の時にはもう望の方も起きて来て、
「もう、大丈夫そうなんか?」
「ああ、まぁな。 風邪って言っても熱だけだし、熱だけ落ち着けば、大丈夫だからな」
「せやな……確かに大丈夫みたいやね。 顔色も悪く無さそうやしな。 ほなら、飯食うか? とりあえず、望が起きてきたみたいやし、先ずは胃に優しいもんからやんなぁ。 ほなら、冷やしうどんにしよ。 これなら茹でるだけやから簡単だしな」
「ああ、そうだな」
「なぁなぁ、望ー、お前、雄介と一緒になって良かったな!」
「……へ? ちょ、いきなり何だっつーの……」
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