2008 / 2160
ー信頼ー63
「だってさぁ、雄介って、頭いいし、ルックスもいいし、運動神経だって悪くねぇし……俺もそんな雄介に惚れちゃうかもー」
「ちょ、マジ、いきなり何を言っっちゃてるんだよ」
「だってさぁ、いやー、今日の雄介っていうのは、マジにカッコ良かったんだからな。 多分、望もその雄介の姿を見てたら惚れちゃうと思うぜ。 だってよ、蒼空が海で溺れた時に先ずは走りながら服脱いで海に飛び込んだだろ、それで蒼空の事を助けただろ、今度は蒼空の事を背負って診療所に走ってっただろー、で、診療所に入ってからは蒼空の事を治療した訳だろ、それを雄介は一人でやったって訳ー!」
そう興奮気味に話す和也。
「ぅん……まぁ、でも、当たり前の事をしたまでで……かっこいいとは……」
その望の言葉に和也と裕実は視線を合わせ、クスリとするのだ。
「これで、いつもの望に戻ったな」
「ですね。 もう、本当に望さんはいつもの望さんに戻ったいう感じがしますよね」
「って、お前等なぁ、聞こえてるんですけどっ! って、いつもの俺ってなんなんだよ」
「……って、望はまだ自覚ねぇの? 望はさ……熱出した時に素直になる性格になるって事をさぁ」
その和也の言葉に顔を逸らし、赤くする望。
「そういう行動をするって事は自覚あんだろ?」
「良くは分からないんだけど……。 確かに、いつもの自分とは違う事を言っているような気がするな」
「それが、素直な事を言ってる望になるんだよ。 でもさぁ、前までは熱が出てる時っていうのは、自覚が無かったっていうのか、意識がなかったっていうのか、そんな感じだったんだけど、今は熱を出しても意識があるって事は、もしかしたら、もう記憶喪失の時の後遺症が治りかけて来てるんじゃねぇのか?」
「そうなのかもしれへんなぁ。 まぁ、後は環境が変わって来たっていうのもあるんやろうし、その記憶喪失から大分時間が経って来てるっていうのもあるからなのかもしれへんなぁ」
「それって、いい事なんじゃねぇのか? まぁ、後は望が俺達の事を信頼してきているって事なのかもしれねぇよな」
「ああ、まぁ……信頼はしてきているのかもしれねぇよな」
その望の言葉に三人は視線を合わせ目を丸くすると、雄介は慌てように、
「ちょ、ホンマに望、まだ、熱があるんと違う!?」
そう言いながら雄介は望の額に手を置き測ろうとしたのだが、
「あー! たまに、マジに言ってみるとこうなるんだもんなぁ。 だから、素直になれないっていうのもあるのかもしれねぇな」
「大丈夫だって……ちゃんと分かっておるから。 今の望は本気で言ってたって事がな」
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