2009 / 2160

ー信頼ー64

 望はその雄介の言葉にひと息吐く。 「無理せんでもええからな……望は望らしくおってくれたらええと思うし」  そう雄介は望に向かって笑顔を向けるのだ。  それを見た和也は茶々を入れ、 「本当、望と雄介って熱いんだな。 なんていうのかな? 確かに俺達もラブラブなんだけどさ、俺達は表に出したラブラブなカップルって感じなんだけど、望達っていうのは心で通じ合ってるようなラブラブっていうのかな? そんな感じなんだよなぁ」 「確かに和也の言う通りですよねぇ。 でも、それはそれで素敵な感じがしますよ」 「ん……まぁ……まぁな……」  そう雄介は二人の言葉に曖昧そうな返事をするのだ。 そして、その合間から望の様子を見るようにチラリを見上げる。  そんな雄介に気付いたのかは定かではないのだが、望は、 「当たり前だろー、俺と雄介っていうのは、そんな仲なんだからよ」  そう望が素直に答えると、和也達は視線を合わせる。  その三人の行動に望は気付き、今度は小さな声で、 「……ったく。 俺が素直な所にそろそろ慣れろっつーの……」  その小さな声で突っ込んだおかげか、どうやら三人には聞こえなかったようだ。  その後の四人はいつものように夜を過ごすのだ。  雄介と望は一緒にお風呂へと入ると、 「なぁ、今日、蒼空のオカンが言っておったんやけどな、今日、俺が蒼空を助けた事が明日にはもう島中に広がっているかもしれないって言っておったんやけど、どういう意味なんやろな?」 「え? それって、いい事なんじゃねぇのか? 今まで、島の人達には俺達の事を良く分かってもらえてなかったんだからさ、今回の事で分かってもらえたって事なんだろうしな」 「あ、あー!!」  と急に雄介は大声を上げ、 「そんなにでかい声出すなよなー。 ここは風呂場なんだから響くだろうが……」 「せやせやせや! 何か俺達って大切な事を忘れてないか? 確かに今まで自分達の事だけで精一杯で、そっちまで頭が回っておらんかったけど、ここに来てから島中の人達に挨拶もしておらんかったやんか。 そんなんで診療所に来て貰おうと思っていた事が間違ってたんと違うか? そりゃ、引っ越しして来たなら挨拶するのは当たり前やんかー。 挨拶もコミュニュケーションも取らんと開院したのが間違っておったんと違う?」 「あ、そっか……そんな初歩的な事を俺達は忘れてたって事か……。 確かに雄介達が蒼空達に近付いて行ったのも良かってんだけどな。 やっぱ、挨拶っていうのは大事だもんな。 それ確かにした方がいいのかもしれねぇぜ。 明日から、往診がてらやってみたらいいのかもな」

ともだちにシェアしよう!