2014 / 2160
ー信頼ー69
「ん? 何か言いたそうやんな?」
「あ、いや……何でもねぇよ……」
望はそう言うと、ソファへと座りテレビを点ける。
見たい番組があるっていう訳ではない。 ただ、やる事がないからテレビを点けただけだ。
雄介の方は洗い物を終えると、次は洗濯物を洗いに向かったようだ。 リビングから急に雄介の気配が無くなって、洗濯機の方から機械音が響いて聞こえて来ているのだから。
それから雄介はリビングの掃除をし洗濯機が終了の合図を知らせて来ると、洗濯物を持って今度は庭の方へと向かう。
そんな雄介の姿を望は目を細め見つめる。 イライラが募って来ているのか、望は貧乏揺すりさえも始めてしまっていた。
もう既に和也達はきっとラブラブな事やイチャイチャな事をしているというのに、望達の方はまだそんな雰囲気さえない。 そんな雄介に望は本当にイライラとしているようだ。
洗濯物を干し終え、ただ望の横を忙しそうに通過していく雄介にため息を漏らす。
望だって、そろそろ雄介とイチャイチャな事をしたいと思っているのに、望の性格上、こう素直に雄介に向かってそれを言える訳もなく、ただただ雄介が動いている姿を目で追うしか出来ないでいた。
今度、雄介はリビングへと戻って来ると、窓を拭き始めるのだ。
そんな雄介の姿に流石の望も限界が来てしまったのか、立ち上がって雄介の側まで向かうと、雄介の肩を掴み望の方へと顔を向かせる。
「……お前は今日! そんな事で時間を無駄にするのか!?」
「……へ!?」
いきなりの望の行動とその言葉で雄介の方はビックリしてしまったのか裏声を上げ目をパチクリとさせてしまっていた。
「だから、お前は今日、そんな事に無駄な時間を使ってしまっていいのか!? って聞いてんだよ」
「それって……どういう意味……なん?」
寧ろ、雄介からしてみたら望にそんな事を言われるとは思ってなかったからなのか思考回路が回っていないのかもしれない。 だから言葉を探して望に言っているのであろう。
「なぁ、さっき、和也は裕実の事を説得して今日は二人だけの時間を過ごそうとしてるんだぞ! 俺達の方はどうなんだよっ!」
「……俺達!?」
その雄介は、どうやら望が言いたい事がまだよく分かってないように思える。 とりあえず何も分かってないような雄介に望はため息を漏らすと、怒ったようにソファへと腰を下ろすのだ。
そんな望の態度に、やっと何かに気付いたのか雄介の方は拭いていた窓拭きを辞め。 望が座っているソファの前へと中腰で座り望の事を見上げる。
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