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ー信頼ー80

「そやねぇ、それやったら、助かるわぁ」 「そしたら、望と二人だけの時間も増えるだろ?」 「ぅん……まぁ……」 「とりあえず、今日は俺が飯作るし、後は裕実と望が洗濯物畳むし、雄介はゆっくりとしててくれよな」 「ゆっくりなぁ。 なんやろ? 俺の性格なのかもしれへんけど、ただボッーとしている事が逆に出来へんねんな。 常に動いていたいっていうんか……」 「ぅん……まぁ、とりあえずな、今は雄介にやってもらう事はないからさ」  とりあえず雄介は和也に言われた通りにソファに座りテレビを見ていたのだが、どうやら落ち着かないらしく和也や裕実の方へとたまに視線を向けてしまっていた。  でも和也に言われた通りに今やる事はない。 だが雄介はもうじっとしているのが耐えられなくなってしまったのか、腰を上げ診察室の方へと向かってしまったようだ。  そして暫くしてリビングへと戻って来ると、診察室に置いたあった分厚い本を開くのだ。  雄介からしてみたら、もう何度も見直しているのは世界であった珍しい症例の事を詳しく書いてある本だ。  人類が初めて病気という事を知ってから、今までの医者はどれだけの病気と戦って来たのであろうか。  十年程前までなかった病気だって、今の時代となると沢山出てきたようにも思える。  まだ医者として経験の浅い雄介は然程珍しい病気というのは診た事はない。 だがまだこれから先はあるのだから、珍しい病気を診る事になるだろう。 その為にも頭に入れておく必要があるのだから。  そんな雄介に望は雄介の背後から様子を見にきたようだ。 「お前って、ホント、勉強熱心なんだな」 「んー、まぁ、とりあえずな……もし、なんかあった時に直ぐに対処出来るようにしないとアカンだろうしな」 「ん? まぁ、それは確かにあるよな。 前まではあんまり勉強好きじゃないって言ってたのにさ、本当は勉強嫌いなんじゃねぇのか?」 「ん? いや……嫌いだって……せやけど、医者になったんやから勉強不足っていうのはアカンねんやろ?」  望はその雄介の言葉に吹き出すと、 「ホント、お前って謙虚なんだな」 「……!?」 「まぁ、確かに勉強しないよりかはしておいた方がいいのかもな」  本当に雄介は医者という職業になったんだなと改めて思ったのかもしれない。 つい数年前まで消防士として働いていたという事を忘れる位、今は医者として頑張っているのだから。

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